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家族、その曖昧で大きなもの

家族というのは特殊な存在である。

他人であって他人ではない。完全に分かり合うことは無いのに、簡単に縁を切ることもできない。

生まれたときからそこにいて、ほとんどの場合は一生付き合いがあり、冠婚葬祭を始めとするさまざまな節目にお互いを気に掛け合う。そういった義務のある相手。

人間、生きていれば様々な人間関係を築くことになるが、このような関係性は家族特有だ。

当たり前のようにそこにあるので見落としがちだが、この家族というものは非常にユニークな存在なのである。

それが理由なのか、その関係の中に問題が生じると、他の関係性とは比べ物にならないくらいややこしくなる。

どんなにつらい事が起こっても、「じゃあ、もう、いいです。明日からは会いません。」と簡単に別れることはできない。

そして、仮に困難を乗り越えて絶交に至ったとしても、多くの場合、その記憶は彼の中に留まり、忘れ去ることはできない。

では、そんな家族を、家族たらしめているものは何なのか?

それは、究極的には、「その人を家族と認識している」ということ、ただそれだけである。

血の繋がりは問題ではない。養子を貰えば、その子はれっきとした家族なのだから。

「この人はあなたの家族ですよ。」そう言われた瞬間に、ただそれだけの事実によって、その人は決して無視することのできない存在に、自動的に昇華されるのである。

家族という概念はこのように、非常に曖昧であるにも関わらず、同時に非常に影響力の大きなものなのである。

その関係を増やすにしても、減らすにしても、継続するにしても、慎重にならなければいけない。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!