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失敗は成功の母?

失敗は成功の母という言葉がある。失敗すれば、それだけ成功に近づくことができるという意味である。

だが、私からすれば、失敗は、それ自体ではどこまで行ってもやはり、失敗でしかない。何かをしようとして、できなかった。それだけであり、その後の成功との因果関係は必ずしも確認できるものではないと考えている。

だが、実際問題、何かが成功に至るまでには何度も失敗をするということはある。その場合、結果からさかのぼって見ると、失敗は成功の母だったと言いたくなる気持ちも分かる。

では、私の考えと、この感覚との間にあるズレを生んでいるものは何なのだろうか。

それは、失敗と成功の間にあるはずの”反省”というプロセスの有無である。

先に述べたように、失敗は、やはり失敗でしかないと思う。しかし、その失敗をした後に反省をすれば、そこから成功につながる可能性は出てくる。このとき初めて、失敗は成功を形作る要素であると言えるのである。

すなわち、失敗は成功の母という言葉に対して私が抱いた違和感の正体は、この言葉からは”反省”のプロセスが感じられないということなのである。

失敗しても、何も反省しなければ、いくらやっても成功には近づかない。

よって、正しくは、失敗は成功の”祖母”と言うべきだというのが私の考えだ。失敗の子が反省。反省の子が成功である。

PDCAサイクルという言葉も市民権を得てきたが、このC(チェック)が抜けては、サイクルはまわらない。むやみやたらと失敗を繰り返すだけでは、求めているものは得られない。

失敗は成功の母、と言えば気持ちは楽になるかもしれないが、やはりこれは現実から目をそむけた短絡的な考え方である。

失敗は成功の祖母。反省あってこその成功であると意識すべきである。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!