見出し画像

勉強とは計画を立てることである   ~計画を立てる編 前編~

前回の記事


前回の記事で、”勉強とは計画を立てることである”という大まかな説明をかきました。まずは、なぜ計画を立てることが勉強をする(≒成績を上げる)ために必要なのか?ということについて簡単に触れていきます。

そもそも、勉強で「成績が上がった!」と理解できる場面とはどのような場面でしょうか。ほぼ100%の人が「テストの点数が上がった」とか「解くスピードが上がった」とか「志望校に合格する」とか、そういう回答をすると思います。

その通りだと思います。自分の勉強力という目に見えない能力を数値化してくれる”テスト”が最もわかりやすい方法です。

では、テストの点数を上げるために何をすればよいのでしょうか。

もちろんそれは勉強なのです、ちょっとややこしい話にはなってしまいますが、「この問題集を1ページ終わらせたら点数が5点上がる」とか「1時間勉強したらテストの点数が上がる」とか、わかりやすい手段がないことが勉強の難しいところです。

例えばダイエットだとしたら、毎日(摂取カロリー)-(消費カロリー)を-300kcalずつにすれば1か月で1㎏痩せるといった計算がある程度できます(あくまで例なので正確な数字ではないです)が、勉強はダイエットのように先が見えません。

つまり、勉強をやって成績を上げるということは、それ以前に自分が何をしたいのかという目標と、それを達成するための手段を見つけなければ仕方ないということです。

マラソンで例えるとすれば、1㎞走るならこのペース、10㎞走るならこのペース、とある程度自分で予測がつきます。しかし、何㎞走ればいいかわからないマラソンではどのようなペースで走ればいいのかがわかりません。100㎞走るつもりのペースで走っていたが実は1㎞だったとか、短距離走のようなペースで走っていたが実はフルマラソンだったとか、ゴールが見えていないことがいかに無謀かつ非効率的なのかが容易に想像できると思います。

計画の立て方

ここで、計画を立てるプロセスについてもう一度おさらいしてみます。

①いつまでに何を達成したいのか、目標と期間を”厳密”に決める

②目標を達成するために必要なことをすべて洗い出す

③書き出した必要なタスクを年、月、週、日ごとに分けて、一日でどれくらいやるべきかを計算する

④【重要】計画通りに進んでいるかを確認し、適宜修正する

今回の記事は①と②について説明したいと思います。

①いつまでに何を達成したいのか、目標と期間を”厳密”に決める

最初のこれですが、今まで意識して計画を立ててこなかった人たちもある程度はやってきたことだと思います。「中間テストで順位を10番上げたい」とか、「平均点より高くなりたい」とか、考えていたはずです(ですよね?)

重要なことは、目標と期間を決めることというよりも、”具体的に”かつ、”厳密”に決めることです。

順位を10番上げたいなら、テストの点数を何点取ればいいのかや、平均点より高くなりたいなら、平均点が何点なのか、を厳密に決めることです。

「平均点なんて毎回テストで変わるんだから決められないよ!」

その通りです。平均点なんて毎回同じではないです。しかし、ある程度平均がどれくらいになるかを予測して、具体的な数字として目標を定めてみてください。今までのテストの平均点が大体60点前後だったから、60点を目標にしてみようとか、それぐらいで構わないです。

大切なことは具体的な数字を目標にするということです。ここでいう”厳密”という言葉の意味は、平均点の予測を小数まで計算するということではなく、自分が達成したい点数をはっきりと決めるということです。

「なんで具体的な数字じゃないといけないの?」という質問の回答として僕がいつも言っていることは、「目標を達成できたかどうかの定義があいまいになるから」という風に説明します。

基本的に計画というものはトライアル&エラーで修正していくものなので、ここの目標があいまいになってしまうと、計画を修正するときもあいまいになってしまいます。達成できたかどうかは最初はそこまで重要ではないです。最初のうちは、計画がしっかり立てられたかどうか、それを自分で無理なく実行できるかどうかの方が重要です。

②目標を達成するために必要なことをすべて洗い出す

目標を厳密に決めたら、次は目標を達成するために必要なことをすべて洗い出します。ここで大切なことは、目標を達成するためのタスクに根拠を含めることです。

「とりあえずテスト範囲の問題集を10周やればいいでしょ!」

みたいなタスクはだめです。そりゃ10周もやれば成績は上がるかもしれませんが、それは効率がとても悪くなり、結果的に計画が破綻しかねません。

勉強におけるタスクの根拠として有用なのは、エビングハウスの忘却曲線が有名です。

画像1

マナブレイン様より引用

「問題集を何周すればいいの?」という質問の答えとしては「基本は5周」が僕の答えです。なぜ5周なのかというと、アメリカの大学の研究で、6回以上の復習は定着率に大きな変化はないという結果が出ているからです。(下にリンクを張っておきます)

しかし、個人差はもちろんあるため、「3周で完璧に覚えた!」という人もいれば、「10周やってやっと覚えた…」という人もいるはずです。ですので、まずは5周でやってみて、自分の定着率を見ながら今後の計画では調整していくというやり方をおススメします。

ここまで読んだ人ならわかると思いますが、ここの必要なタスクを洗い出す作業はとても大変だということです。実際に僕が中学二年生に同じようなことをやらせてみましたが、一週間分の計画を立てるだけで僕が手伝っても2時間以上ほどかかります。これが一ヶ月、一年のような計画になると、いかに計画を立てることが大変なのかがわかっていただけると思います。

もし、あなたが受験生で、一年間のスケジュールを立てるとしたら、それは一週間や二週間ほど、もしかしたらそれ以上かかるかもしれません。しかし、そのようにして立てたスケジュールは必ず意味のあるものになります。

まとめ

・目標は具体的な数字を厳密に決める

・必要なタスクには根拠を含める

「どうしても一人で計画を立てるのは難しいです…」という人もいると思います。私は皆さんの学習支援をしたいと考えていますので、一通りこの”勉強とは計画を立てることである”の記事が書き終わったらアドバイスできる環境を用意いたしますので、少々お待ちください。

次回は、後編、③と④について解説していきたいと思っています。よろしくお願いします。

ここまで読んでくださった皆様。ありがとうございました。

次の記事


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?