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1-3グループワークとチームワーク~グループワーカー感覚

 入社当時先輩指導員が体育大学のラガーマンだったことから、レッツ(勤労青少年ホーム)での職員の働きかけにいつも違和感を持っていた。彼の関わりは、「勝つために」力をあわせるということだった。だから、サークル運営の際に、大きな目標を立てずに運営するということに非常に難しさを感じていた。そういうボクも、もともとはバスケット部にいた人間なので、チームを作るには「目標」がなくてはうまくいかないと感じていた。しかし、当時サークルは楽しむもので、「種目を通して仲間作りをする」のが目的であった。
今まで勝つためのスポーツ、より高い目標へ到達するための種目しかやったことがなかったので「楽しいスポーツ」「仲間作りのためのスポーツ」というのは何だか生ぬるい感じがしていた。
 チームとして動くときには「勝つこと」を目的にして働きかける。グループとして動くときには「仲間の関係づくり」を目的に働きかける。当時のボクの頭の中ではそのように整理していた。テレビの世界では、勝つことやチャンピオンシップを求めることが多いが、実際の社会生活の中で人が一番頭を悩ませているのは「人間関係」、すなわち人との関わりである。そのため、今になって「仲間作り」や「人とのつながり」をつくるということに自分自身も意味を見出してきたし、人々が求めていることもそういうことではないかと思う。私の所属する組織がグループワークを手法として、これだけ大きくなったのも、「種目を手段として人と人のかかわり」をつくるという懐の広さがあったためだと思う。
 「勝つためのバスケットボール講座」ではなく、「楽しいバスケットボール講座」を作ったときも、ボクの頭の中で大きな変革があった。どうやったら上達するか、上達すれば楽しい・・・ボクはそう思っていたが、
「本当にそうだろうか?」
という疑問が湧いてきた。別の施設のバスケットボールサークルを見学に行き、アンケートをとらせてもらった。すると、バスケットボールの一番の楽しさは「シュート」と「ゲーム」。当たり前の話であるが、シュートができることが何より楽しいというのだ。そこで、お願いしていた講師の方とシュート練習の機会を増やし、ゲームを極力増やした。これも当たり前の話だが、楽しいことがいっぱいあって、仲間もできるとその活動に愛着が湧く。そうして、できたバスケットボールサークルが「ドルフィンズ」そして「BBB」「neoバスケ」という新しいバスケットボールサークルの系統につながった。
 ボクの中の競技としてのバスケットボールがコミュニケーション手段としてのバスケットボールに変わった時であった。そして、バスケットボールをコミュニケーション手段としたところ、40を過ぎた今(執筆当時)でも、中高生とバスケットボールで関わることができる。感謝感謝。


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