自分の進路を考えて決めていくために
大学進学は砂漠緑化の本に出合って決めたゲンヨウです。現在は、”平和な人さらい”こと人材育成やマッチングの現場にいます。人生どうなるかわからないものです。
今日は、鳥取県の県立農業大学校にて午前中講義をさせてもらいました。昨年に続き2回目。農村ボランティア派遣をやっているので、その辺の話やら地域貢献をテーマに。
ボランティアの現場に長くいますが、ボランティアに参加する人ってそんなに多くないんですね。どちらかを言えば少数派。今回も聞いてみると、ボランティアへのモチベーションがわからないとか、アルバイトの方が良いではないか。そんな意見が多かったです。
一方で、2回は社会貢献体験(ボランティア体験)をすることが決まっているそうなので、ボランティアや地域貢献という社会的な意味よりも、個人としてその時間をどう活かすのかをテーマに話したり、考えてもらうことにしました。
1.ボランティア体験を受け身にしない
2.将来の自分を描いて逆算してみる
3.それって実はバイトとか含めて進路を考えるのと一緒じゃない?
4.進路を考える方法論は教わらないまま選択のタイミングがやってくる
1.ボランティア体験を受け身にしない
学校から決められていることなので、”強制労働”という学生がいたように、やらねばならないものと捉えている人が多かったです。でも、どうせやるなら楽しいほうが良いし、楽しく実りあるものにする視点を自分が持てるかというのも大事なので、その作業や時間をどう意味づけるのかという話をしました。
僕が普段接している大学生たちは、アルバイトの時間と、農村ボランティアの時間をうまく天秤にかけて、「金銭的な価値+その他の価値」の合計値で判断しています。同じ時間を使うとして、ボランティア体験が生む価値が、卒業要件だけではさみしくないかなと。他に何か意味を持たせることができないかということを問いかけました。
2.将来の自分を描いて逆算してみる
農業大学校の生徒さんなので、聞いてみると農業系の仕事につくつもりで来ている人が多かったです。実家が農家だったり、最近では祖父母が農家で、そこを継ぐ孫承継というパターンもあるみたいです。
農業系の仕事を一つの将来としたときに、その仕事に必要と感じることを学べる経験ができるか、逆にそこでは出会わない経験を学んでおくかなど考え方はいろいろありますが、その視点を意識することが大事です。あと、将来が変わっても良いので、とりあえず今、興味あることの延長線を描くのが大事だと話しました。「変わっても大丈夫。僕なんか砂漠緑化から人さらいですからね」って言ったら笑ってました。とりあえず決めるのが大事。
3.それって実はバイトとか含めて進路を考えるのと一緒じゃない?
今回はボランティア体験、どうせだったらどんなことやってみたい?という切り口を提供していたのですが、それって自分の時間の使い方の選択、人生の選択なので、進路選択と一緒じゃないって話に。
この辺で少し、聞く姿勢の変わった学生もいました。
実は今度、そういうことを考える場面が増えるよという話もしました。副業兼業解禁の話。プロボノなど、自分のスキルを社会に活かす人が出てきている話。僕らの農業ボランティアのように、お金とは違う価値交換で時間提供する人がいる事実。そしてそれで農地保全ができている事実。
農家という立場で受入れ側になるかもしれないし、副業兼業・プロボノという形で時間を提供する側に回るかもしれないけど、金銭を尺度にした価値観とは別の基準で選ぶ時代に、みんなは浸かっていくことを話しました。
4.進路を考える方法論は教わらないまま選択のタイミングがやってくる
講義が終わった後に、実家は農家じゃないけど、農業に興味あって入学してきた子から相談を受けました。
「花が好きで花の作り方を学んでいるけど、周りは農業は儲からないって話をする、花づくりで生活したいけどイメージがつかない」
まずは、自分が目指している仕事をしている人を探してみよう。例えば10年後くらい30歳から35歳で花をつくる農家をやっている人に会って話を聞いてみるのはどうだろう。学校のつてなども駆使して調べてみよう。
そこで、自分の話や思いを伝えてみる。もちろん大変なこともあれば、可能性も見えてくる。100%その人と同じ人生は歩めないけど、自分なりにイメージはつけられるのではないかというロールモデルに会ってみたらという話をしてみました。
他の子は、果樹やりたいけどどうやって新規就農するのかイメージがつかないって話でした。
両方の話を聞いて、自分や今周りの大学生と話していても、進路を考えたり情報を集めていくための方法論について、ほとんど学ばないけど、いきなり選択のタイミングはやってくるなと。そして多くが、それに翻弄されてしまう。
農業で進むというある程度固まっている子たちですらこの状態なので、学ぶ空間と職業の空間の接続について、もう少しちゃんと考える必要があるなと感じました。せっかく熱い思いを持っているのに、足踏みはもったいないなと。
手間はかかるかもしれないけど、一人一人の人生にもう少しフォーカスする部分に時間をかけるような社会にしないといけないなと感じました。
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