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地域の災害対応力を高めるために

鳥取でNPOを経営するゲンヨウです。佐賀県大町町(おおまちちょう)に行ってきました。冒頭の写真は、日本レスキュー協会さんの新拠点での1枚です。救助犬の訓練施設をつくられて、そこを会場にお借りしての研修でした。

会場となった佐賀県大町町、隣の武雄市はここ数年大雨被害にあわれています。そこに支援のための機関をつくるということで施設が創られました。今後、ドッグランやキャンプ場など一般の方も使えるような場所も併設されて、平時と有時のグラデーションを体感できる場所になるようです。

1.災害時に誰一人残さないための仕組みづくり

下記の記事に書いていますが、今年度から災害時に中間支援組織と大手企業や仕組みなどを活用した連携の仕組みづくりのプロジェクトに参画しています。

大きな企業が持つ仕組みや、IT技術を生かした仕組みを作っていって発災時に地域の中間支援の活動を活性化させる、結果的に災害時に誰一人取り残さないような、次に進める後押しもできるような、そんな仕組みを考えています。

大きな企業としては、商品開発力や物流、場合によっては顧客との接点など僕らのような中間支援ではできないことがあります。一方で中間支援組織は、現場での細やかな情報収集や適正化の調整などは得意です。そこをうまく繋げたり、相乗効果を生むような動きができないかなというお話です。

2.地域内外の有事の人材活用と平時のアップデート

発災時には、専門的な部分は自衛隊や消防・警察などが入りますが、ボランティアセンターが立ち上がり、一般の方でも担える役割が大量に生まれます。そして、ニッチではありますが少し技術や経験、資格を必要とした役割も生まれてきます。

例えば熱海ではボランティアセンターが立ち上がり、コロナ過での近隣自治体に限られはしましたが、マスコミで取り上げられたこともあり人手は充分に来てもらったそうです。熱海という立地も周辺人口が多いということもありますが、単純作業を担う人は揃うわけです。

そうなってくると、少し技術が必要なニッチな役割に目が向きます。atamistaさんでは、子どものための支援をカタリバさんなどの外部組織と行いつつ、地域の保育士さんなどと連携して、外部人材のノウハウや仕組みを内部人材が担う活動に変換する支援をされてきたとのこと。

熊本の人吉市では、フミダスさんが関わりオンラインでの大学生の担い手確保を行なったそうです。企業の取り組みたいテーマでオンラインで可能なものについて切り出し、期間限定の右腕社員として取組んでもらう。弊社の行う”YELL FOR”と同じCFW(キャッシュフォーワーク)の助成金を活用した取組を行ったとのことです。そこにプラスして、より専門的な知見をオンライン副業(社会人)で担ってもらう仕組みも実践したとのことです。ここでは、外部人材をオンラインでも確保するという仕掛けですね。

福岡市では、アースプロジェクト福岡さんが発災後に起こるボランティア支援を大学生の参画を通じて行う取り組みをされています。コロナ禍で大学生も地域に出るチャンスや、そもそもオンライン講義のために人との接点が創りづらいなどの状況が生まれており、その両者をつないだ感じです。私たちの”農村16きっぷ”の防災版みたいな感じです。実働としては、前の記事で少し紹介した”三徳レンジャー”に田んぼの水路が埋まった話しが来て、支援に行ったカタチに似ています。

3.役割のレベルと、人材のレベルを合わせる工夫。役割の設計ができる人を増やす仕組みへ

今回の話し合いでは、有事の人材供給をスムーズにするにはどうしたらいいのかというスタートで話は行われました。話を行なう中で、人は意外と集まるが、その人にあった役割が無かったりするというのが課題ということがわかりました。

単純作業のボランティアであれば、有事の際は大量に出るけど、平時の発掘は難しい、それを担う人に合わせて用意することにコストがかかる。また、専門性が必要だったり、導入人材に余白(地域側の変化に対応できる余裕)が必要で、そういった形も含めてプロジェクトを設計する人が足りてないという話になりました。

方向感としては2つあるなと感じていて、一つは単純なプロジェクトはフォーマットを作ってシステムでマッチングしていく形式。もう一つは、専門性や余白が必要なプロジェクトは、コーディネーターの技術を一般化して、複業コーディネーターや公務員コーディネーター、社協人材コーディネーターなど、基礎的な部分をインストールできる環境を作っていくことかなと思いました。

この点については、コーディネーターのオンラインサロンを運営しているので、共通だなと思っていて、もう少し初期な部分を一般化することをまず手掛けると良いのかなと思っています。

今日は、ここまで。最近は防災・災害支援をキーワードに地域コーディネーターのやれることを増やすという部分に着目しているという話でした。

追記)今日のおまけの話を書いておきます。

今日は、多様な人とのプロジェクト運営の難しさについてつらつらと。

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