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【もの作りファクトリーの1日#04】たらこスパゲティと混じりけのないもの

さて、皆さん、ご自宅でたらこスパゲティ、どのように食べますか?私は、たらこを丸ごと皮つきで、バター、のり、大葉、そしてキムチとレモンを絞って食べます。バターとのりは自宅にあるものとして、スーパーのたらこ400円くらいのパックと、大葉100円と意外と材料が必要なものです。

レストランでは、タラコ+マヨネーズを和えた市販ソースを使う所も多いそうですね。おいしいですし、ロスもないですしね。1本買えば、もちますし、量も多いのです。

このように、色々合理的な理由で、mixされるものが、多いこの頃。

実は、レザー製品でもこの合理化が進んでいて、混じりっけのない物は、”高級品”になりつつあるということをnoteしたいと思います。

今は、沢山のものが世に出ています。わたしたち人間は、”新しいもの”が大好きで、そして研究家。その成果として、新しいものやことが生まれて、1世紀前とは比べ物にならない素材や商品の多様化が進みましたね。

勿論商品の多様化は、コストにも影響が出ていて、製品を安くするために、開発をする業者も多くいます。

わたしは革の職業なので、レザーに関して言うと、やはり1番衝撃的だったのは、スプリットレザー。これは、銀面をはがした床(トコ)という下層の革に塗装膜を付けて、”本革”の代理素材として鞄が作られたりします。

耐久性は悪く、見た目は個人的にはクエスチョン。何より、”本革”といいたい為に、塗装を付けたり、とにかくその精神があまり美しくない。

つまり、購入する方に、”本革だけれど安いよね”と錯覚させること。また、商品を売る人は、”本革って高いんだけど、この製品は安い”と買ってくれる消費者がいると信じているって事です。

もし、そのスプリットレザーが、ぼそぼそした感じが美しい!と本気で開発を進めているのなら、このもやっという気持ちは恐らく出ないと思うのですが、とにかく”騙している”もしくは、”消費者をバカにしている”のどちらかだと私は思うのです。

そこまでして、”本革”が欲しいという人はいるのでしょうか。

私は革を扱っていて、革が好きなのは、そういう精神からはほど遠いです。


前途したタラコソースと本物のタラコとの距離感は、このスプリットレザーには無いと思うのです。

けれどそういう事を気にしていたら、今度は”レザー”と言って合皮製品を販売しているブランドもあるのだから、益々混乱しています。


つまり本革には、

①スプリットレザーと言って、床革に塗装を塗り、銀面と錯覚させる素材がある

②合皮もレザーという商品名で売られている

そして進化系は、

③一部に本当の天然皮革を使用して、その他大部分を合皮を使い、”レザー”と納得させる製品がある

と大きく分けて3つのもやっとしたものが存在しているということです。

別にこの3つの素材が悪いとか、そういう論議はしたくないのですが、革を扱っている立場からすると、皆さんは、本革の何が好きですか?ということ。

つまり、私には上記①~③の理由がわからないのです。

①については、本革に見せたいという販売側の心理が読み取れます。本革=高い けれどこの製品は(スプリットレザーだから)安い

もしくは、本革だから丈夫と思わせたい。いや、でもスプリットレザーの耐久性は、銀付きレザーとは比べられないくらい弱い、、ということは、遠回しに言ってもこれは、消費者を騙していますよね。

それとも、”私はスプリットレザーマニア”という方がいらっしゃるのだろうか。

②の合皮をレザーと呼ぶ件については、もしかすると、販売する人は、合皮を英語でレザーと思っているのだろうか。もしくは合皮=レザーと思っているのだろうな。海外では、素材屋さんも合皮をレザーと言っている。

伝言ゲームで、販売する最後まで誤った呼び名がついているということなのでしょうか?それとも、スプリットレザーのように、誤解をされたい、、という心理があるのでしょうか?もし後者なら、これも詐欺だな、、

果たして真理はどちら。

③についてはどうだろうか。これはもしかすると、デザイナーさんの意向なのか。それとも、やはり購入者を錯覚させたいのだろうか。

どちらにしても、革が本当に好きで扱っている業者にとって、革の価値を下げる素材については、好ましくないのは事実。声を大にして言いたい。

天然皮革、ひとまず、匂いを嗅いでください。フィーリングで美しさを体感してください。もし、天然皮革の美しさに気づいてしまったら、五感が開いて新しい世界を感じて頂けると思います。

そしてその五感で感じた次にあるものはパッションです。革から生まれる深層心理や哲学、人生観、沢山想うことがあるのです。

わたしたち、Genuine Leather【ジェニュインレザー】は、本革工場。【ジェニュインレザー】に関わる人は、皆レザーに関してパッションを持っています。


合皮には寿命があります。更に、製品を作った後からの計算ではなく、素材を作ってから。もしかすると、鞄工場に来るまで、2~3年、倉庫で眠っていたという素材だったら、もう、、、


ファッションとして大変価値がある素材ですが、天然皮革は個体差がある非常に珍しい素材。どうか、合皮と一緒に見ないでくださいね 合掌












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