ごりやく歳時記 福運を招く12か月の作法 #1
生まれ持った霊能力に加えて修行により霊格を上げ、神様とおはなしができるようになった桜井識子さん。神社仏閣で神様や仏様と話したことをブログや本で紹介し、その衝撃の内容と親しみやすい語り口が多くの支持を得ています。本書は桜井識子さん流の『ごりやく歳時記 福運を招く12か月の作法』。歳時記とは1年の季節ごとの行事について解説した書物のことです。
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はじめに
この本を手に取っていただき、ありがとうございます。
皆様の中にはタイトルの「歳時記」に惹かれて手に取ってみた、という方がいらっしゃるのではないでしょうか。私の本を読むのが初めて、という方は本文中にある「神仏がこう言った」という記述を見て、「え?」と驚くかもしれません。「神仏と会話ができるの?」と。
プロフィールに書いているように、私は、霊能者であり霊媒だった祖母と、審神者だった祖父の初孫として生まれました。神仏や見えない世界と深く関わって育ち、幼少の頃から神仏が「いる」ことを知っています。
大人になって修行を重ねたことにより、神仏とのコンタクトが安定してできるようになりました。神仏に教えてもらった情報やアドバイスは、本やブログを通して読者の皆様にお伝えしています。
本書は以前からご要望が多く、いつか書きたいと思っていた歳時記です。歳時記とは、1年のそれぞれの季節に応じた行事について解説をしたものです。
1年の中にはいろんな行事があります。単純に楽しむためのものもありますが、運気を上げる、邪気を祓える、という行事もあります。しかし、せっかく邪気を祓える行事でも詳細を知らなかったら、その行事をスルーしてしまいます。本来なら貴重な日となるべきところを、普通の日々と同じにしてしまうのです。けれど、その行事の内容や意味を知り、邪気を祓うやり方がわかると、その日はごりやくがもらえる、ありがたい1日となります。
運気を上げたり、邪気を祓ったりするのは見えない世界でのことです。つまり、その行事を行う時には見えない世界のコツが必要といいますか、何をどう利用すればいいのかなどの、見えない世界の知識が必要です。
そこで行事に関する情報を、あちこちの神仏に聞いてきました。運気をアップさせたり、よくないものを祓ったりと、効果の得られる行事は限られています。本書はそれを厳選して載せていますので、他の歳時記とはちょっぴり違っているというわけです。
具体的に言いますと、明るく華やかで、よい「気」を帯びた新年を迎えるには、大晦日に何をどう準備すればいいのか、また、年が明けたら何をすれば開運につながるのか、などについて説明しています。家の中をおめでたい新年パワーで満たし、初詣に行ったり、どんど焼きに参加したりすることで、その年の運気を上げることができます。
季節の風物詩としかとらえていない行事が、意外と運気を整えるものであったり、「わかる能力」をレベルアップさせるものだったりします。スピリチュアル的に貴重な行事であることも多いです。
たとえば、年に5日ある節句は古い時代の風習などではなく、現代でもごりやくのいただける日です。邪気が祓えるので、スルーせずにしっかり利用します。
お花見やお月見などで、「わかる能力」がなぜ上がるのか、どうすれば上げることができるのかについても書いています。花火大会もたまには行くといいです。
逆に、避けたほうがいいこともお伝えしています。
1年の中には、運気の流れを上昇へと変えられる日がありますし、神様に楽しんでいただける祭事もあります。自分で自分の魂につけた黒いシミを落とす行事、その落とし方など、本書の内容はバラエティに富んでいます。
1月から12月まで時系列で書いていますので、1年を通して行うとよいことが1月から順に、すべてわかるようになっています。これまでとはまるで違った1年にできる1冊です。
見えない世界によい影響を与える行事をうまく利用することで、運気がよいほうへと変化します。運気のよい年を重ねていくことで、人生がよいものへと彩られていきます。
人生は短いです。あっという間に年を取ります。ですから、なるべく早い時期に彩りのよい人生となるよう、できることはやったほうがいいです。そして、上向いた運気が下降したり、低迷したりしないように、時々効果のある行事を行うことも大切です。
運気のよい人生にする、その第一歩を踏み出すために活用できる本にしていますので、多くの方に読んでいただければ、と思います。
まずは神棚と仏壇に年始のご挨拶を
年が明けた新年の0時0分、家族に「明けましておめでとう」と言ったあと、神棚と仏壇があるお宅は、神棚と仏壇にご挨拶をします。
年明けのお供え物の準備は、12月31日の23時45分をすぎたところですでに終えています(「12月」に詳しく書いています)ので、まずはロウソクに火を灯すところからです。神棚が先か仏壇が先かは、自分の判断でかまいません。神様もご先祖様も先に挨拶をされなかったことで気分を悪くすることはないからです。
私の実家では母が先に神棚に手を合わせるため、私はその間に仏壇にご挨拶をしています。どちらが先でもまったく問題なく、順番で悩まなくても大丈夫です。
神棚へのご挨拶の仕方は、ロウソクに火を灯し、2拍手をして、できれば祝詞を唱えます。新年最初のご挨拶ですから、祝詞はいつも以上に尊いものとして、神様にとても喜んでもらえます。メモを読みながらでも、読むのがたどたどしくても、そこは気にせずに唱えたほうがいいです。
祝詞は私が利用しているオールマイティのものでかまいません(巻末に載せています)。
祝詞を唱え終えたら、「明けましておめでとうございます」とご挨拶をして、新年の抱負などをお話し、2拍手で締めます(締めの2拍手はしたほうが丁寧です。神社でする最後の1礼は、神棚ではしてもしなくても、どちらでもオーケーです)。
通常はここでロウソクを消しますが、年明け最初のこの時だけは、すぐに火を消さずに、少しの間火を灯したままにしておくほうが喜ばれます。神様は新年のおめでたい雰囲気を、お供え物を召し上がりながら、お酒を飲みつつ、楽しんでいるからです。
神社の窓口である神棚だと、神社から眷属がやってきて、お供え物を喜んで召し上がっています。ですから、「ごゆっくりどうぞ」という意味で、ロウソクを少し長めに灯しておきます。用心のため、火の監視を忘れないようにします。
「神社の窓口ってどういう意味なのかな?」と疑問を持った人もいるのではないでしょうか。ここでちょっとその説明をしておきます。
家や会社などに祀っている神棚は2種類に分かれます。
神社から神様、もしくは眷属が来てくれて、実際に神棚に鎮座しているパターンと、神様や眷属は来ていないけれど、お社の中に入れているおふだの神社と直接つながっているパターンです。
直接つながっているといっても、神社の支店(たとえです)になるほど、そこまでパイプは太くありません。細いパイプですから出張所にもならず、イメージ的には小さな窓口です。
けれど、確実につながっていますから、こちらからの声は神社のご祭神にしっかり届きますし、神様によっては、鎮座しない代わりに眷属を見まわりとして巡回させています。神社の窓口である神棚もこのようにありがたいものです。
話を戻しまして、神職さんが唱えた祝詞を収録しているCDを持っていたら、ご挨拶のあとに「大祓詞」を流します。おめでたいお正月の食事をしながら、神楽などと同じ「音の奉納」を新年明けてすぐに楽しめるのですから、とても喜んでもらえます。私の実家の神棚にはお稲荷さんもいるので、「大祓詞」のあとに「稲荷祝詞」も流しています。
「そろそろ、ロウソクを消してもいいかな?」と思えば、そこで消してかまいません。時間は最低限これだけ、というふうに決まっていないので、自分の判断でいいのです。神様も「そこは気を使わなくていい」と言っています。
ロウソクを消したら、お供え物を下げます。
私の母は「せっかくのお正月だから、ロウソクが燃え尽きるまでそのままにしておきたい」と、火が自然に消えるのを待っています。しかし、短いロウソクでも、かなり待つことになりますし、燃え尽きるまでじっと見ていなくてはいけないので、「もういいかな」と思ったら、遠慮なく消します。
仏壇も同じくロウソクを灯して、それからお線香をお供えします。おりんがあるお宅はおりんを鳴らして、まず般若心経を唱えます。般若心経も何かを見ながら唱えても問題ないものです。下手でも、引っかかりながらでも、唱えたほうが喜ばれます。
般若心経を唱えたあとで、新年のご挨拶をして、抱負などを話します。
お坊さんが唱えた般若心経を収録しているCDを持っていたら、または動画があれば、そちらを利用してもかまいません。この場合は、先にご挨拶をして、お話をし、最後にCDや動画を流します。
仏壇も普段より少し長めにロウソクを灯し、ご先祖様にお正月の雰囲気を楽しんでもらいます。
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