問題作:女子トーク 555字
A実「ねーねー。この前ネットで見たんだけど」
C佳「ええ。何かしら?」
A「ちまたじゃ、ラノベ口調ってのがあるんだそうよ?」
C「ん?ラノベって?」
A「あーライトなノベル。こうさあ、漫画っぽい表紙で?キラキラアオハルっぽくて?」
C「あーハイハイ。軽めの小説ですわね」
A「そーそー。で、売れると即アニメ化ですってよ」
C「お詳しいのね。A実さま」
A「へっ?いやいや、そんなことなくってよ?そういう系に出てくるヒロインが、なんかこう古風なべしゃりなわけなのよ」
C「今どきそんなしゃべりかたするコ、いやしないわよ。違和感しかないったら」
A「そーそー。もう鳥肌レベルだわ。なんかお上品だと思ってる人がいるみたいなの」
C「ええ?勘違いも甚だしいわよ」
A「あと、話してるのが男子か女子か、わかりやすくするためらしいのよ」
C「異世界の設定考える前に、人物背景を練ったほうがよろしいんじゃなくって?」
A「え…?C佳氏。もしやご存じなんですの?」
C「へっ?いやいや、ほら。うっすらと聞いたことあるわよ、それくらい。いきなりチート能力目覚めて、人生やり直す系でしょう?」
A「今気づいたんだけど、女子同士の会話じゃ意味ないんじゃないかしら」
C「そーそー、もうクドイわよね」
骨の髄まで毒されたラノベガチ勢を、ひた隠すふたりであった。
(おわり)
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