見出し画像

[RIZIN] 成長と現在地

4月1日に大阪で行われたRIZIN41。

大会を振り返って改めて印象に残っているのが、「萩原京平の勝利」と「ケラモフの抜きん出た実力」だった。

フライ級の神龍誠も圧倒的と言えるパフォーマンスを見せていたが、カードの組み合わせを考えると想定される一つの結果でもあったため、印象という点では少し落ち着いてしまった。

なので次戦では海外の強豪と見ていみたい。フライ級GPもしくはワンマッチでドットソンや堀口恭司との一戦が実現すれば、フライ級のトップ所を決める熱い戦いが拝めることになる。

話を戻すと、今回萩原は連敗が続き、後がない状態で相性の悪いカイル・アグォンとの一戦に臨んだ。

結果は3−0での判定勝利。組みの攻防を耐え抜き、ストライキングで差をつけた萩原が難敵を退け待望の勝利を手にした。

内容を振り返ると組み展開での大幅な改善が成されていたようには見えなかったので、弱点克服とは言い難いが一本を取らせる事なく耐え抜き勝利したという今回の経験は彼に大きな成長を与えただろうと思う。

成長過程にあるファイターにとって、その結果と経験は内容以上に大きな価値を持っているのではないかと思う。

MMAファイターとしては致命的なまでのグラップリング能力の欠如、あっさりと極められてしまうディフェンス力の低さ。

この露骨なまでの弱点を少しずつカバーしてきている事が今回の試合で分かり、積み重ねてきた研鑽がようやく形となって、実戦に持ち込むことが出来るようになっている印象を受けた。

恐らくここから次第に成長の速度は増していくと思うので、当初萩原京平の強みとして光っていたストライキングが再び活きてくることになるのではないだろうかと思う。

敗戦を糧に成長を促しMMAのスキルの中で欠けていた部分を補い始めた萩原京平は今後どんな進化を見せていくのか、今回の一勝はそこに期待を持てるだけの大きな意味を持っていたと思う。

RIZINの限界

次にヴガール・ケラモフと堀江圭功との一戦だが、やはりケラモフは所属する団体のレベルが違うのではと思わせる内容だった。

この先誰が彼を止められるのだろうか。

ケラモフとまともにやって良い試合をできるようなレベルの選手を、準備できる環境が今のRIZINには恐らく無い。

いるとすればフェザー級のベルトを持つクレベルぐらいなのではないだろうか。

そもそも堀江圭功自体十分強いファイターで、キャリアの中でUFCも経験している。

しかし、その彼がまるで歯が立たなかった。

RIZINの中で今後ケラモフを止めるとなったら海外選手を入れるか、クレベルを当てるかの2択になってくるような気がするが、それは同時にケラモフレベルの選手をRIZINが活かしきれないという団体レベルの限界を表しているようにも思える。

ケラモフ・クレベルといった限られた選手だけでトップが争われるようになると、階級の最大値は伸び悩み、競争率も作り出せず魅力的なカードを組む事が難しくなって来るだろうと思う。

そうなるとトップクラスの強豪はいずれそのレベルに見合った団体へと移って行ってしまうのではないだろうか。

そうなってしまうとRIZINの規模は国内級に留まり続け、いつまでも海外の有望な選手を呼び込むことが出来ない状態になってしまう。

海外と戦える日本人選手が外へと飛び出していっている今、国内で海外を相手取る事ができるようなファイターが出て来ることはあるのだろうか。

RIZINは日本の格闘技界を盛り上げる1団体として、そういった日本国内のスター育成を推し進めていく必要があるのかもしれない。

日本人同士も良いが、大会の規模が世界的になればそれだけ熱は大きくなる。

WBCやW杯のような盛り上がりを格闘技というジャンルでも見ることが出来たら、そんな大きな興行を日本で見ることが出来たら、かつての盛り上がりを取り戻すことも出来るのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?