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[UFC] フォントに完勝したフィゲイレード

先日行われた「ツァルキヤンvs.ダリウシュ」のメインカードの中に組まれていたフィゲイレードvs.フォントのバンタム級マッチで、バンタム級へと転向したフィゲイレードがフォントを封じるような形で試合を展開し、見事に勝利を果たした。

バンタム級転向初戦でランキング8位のロブ・フォントを撃破し、バンタム級でも戦っていけることを証明したフィゲイレード。

その戦いは思っていた以上にフィゲイレードが支配するような内容で進んでいった。

組み技のスキルでフォントに差を付けていたフィゲイレードはスタンドの展開では注意深く受けに回ってフォントの打撃をいなしつつ、ジャブやタックルでカウンターを狙いながらテイクダウンの意識をフォントに刷り込ませていった。

フォントはスタンドでないと有効な勝負が出来ないところが影響してフィゲイレードに通用するようなプレッシャーを与えていくことが出来ず、自分の距離を作ることが出来ない上にフィゲイレードのジャブを先にもらうようになってしまっていた。

結果、フォントは組みでも打撃でもフィゲイレードに上手を取られてしまい、有効な手段を講じることが出来ないまま試合を終えてしまうこととなった。

これはそもそも備わっている総合力に差があることを利用した上で組まれた、堅実な戦術をフィゲイレード陣営が用意した結果生まれた内容だと思う。

転向初戦ながら対戦相手のランカーに対して確実に勝てる要素を炙り出し、堅実な立ち回りを見せる落ち着きと強かさ感じさせたフィゲイレードは、バンタム級でも戦っていけることをUFCや世界に対して証明してみせた。

特に目を見張ったのはフィゲイレードのパワーだった。

フライ級で脅威となっていた彼のパワーはバンタム級でもしっかりとした武器となっており、フォントに大きなダメージを与えることに成功していた。

これは他のバンタム級ファイターたちにとって警戒すべき厄介な出来事となったに違いない。

今回の勝利でバンタム級のランキング入りを果たしたフィゲイレードは今後バンタム級の上を目指して進んでいくことになる。

今回の相手はグラップリングのスキルで上手を取れたが、さらに上位のランカーともなってくるとトータルスキルの優れたファイターも多くなってくるので、そういったファイターと対戦するとなった時にフィゲイレードがどのような戦いを見せてくれるのか、非常に興味深い。

いずれにせよフィゲイレードのパワーはバンタムの階級でも通用するだろうということが今回の一戦で分かったので、今後のバンタム級の勢力図に変化が加えられることにはなってくるだろう。

バンタム級に上げたことで肉体的な負担が減ったフィゲイレードは体力面でもその恩恵を受けることになるのかもしれないが、打撃のもらい方や打たれ強さに対する不安はあるように見えたので、その点は今後の猛者との勝負で影響が出てきそうなところではあった。

今回の戦いで大きな一撃をもらうことはなかったが、バンタム級のパワーに対する耐久力がどれくらいのものなのか、そういった点も今後の注目ポイントになってくるかもしれない。

その上で、今後実現するかどうかは別としてメラブ・ドバリシビリやヘンリー・セフード、ピョートル・ヤンにコーリー・サンドヘイゲンといったファイターたちとの試合を観てみたいと思った。

今回バンタム級転向初戦で素晴らしいデビューを果たしたデイブソン・フィゲイレード、彼がバンタム級という新しい舞台でこの先どういった戦いを繰り広げていくのか、元フライ級王者の今後の活躍に注目が向けられる。

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