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テニスを楽しむ"おまじない"


 「み・た・つ」
これは私が心がけている、テニスプレイのおまじないです。

「見て・溜めて・強く」
を略したものですが、これでもまだ、なんのことかわかりませんよね。

私がテニスを始めたのは、今から40年以上も前のことです。職場の仲間から誘われたことがきっかけでした。学生時代には、サッカーやスキーなど、当時流行りのスポーツはひととおりやっていましたが、どういうわけかテニスは機会がありませんでしたから、二つ返事で参加させてもらいました。

それまで、運動神経は人並みだと思っていたので、テニスもすぐにできるだろうと高を括っていましたが、実際にやってみると、空振りはするわ、ホームランは打つわと、あまりの難しさにまったく歯が立ちませんでした。恥ずかしいやら悔しいやら、完全に自信喪失です。このままでは迷惑をかけるだけだと思い、さっそくテニススクールに通うことにしたのでした。

そんなわけで、テニス歴だけは長いのですが、それからたいして上達もせず、今に至っています。

よくテニスはメンタルなスポーツだと言われますが、テニスに限らずどんなスポーツでも、テクニックだけでなく、体力や精神力が伴わないと上達しないようです。「心技体」のバランスが重要だといわれる所以です。

といっても、私はプロになりたいわけではありませんから、あまり難しく考えずに、スポーツを楽しむための心がけの一つとして、自分なりに噛み砕いて解釈しています。
そうして考えついたテニスのおまじないが、冒頭の「み・た・つ」という言葉でした。

テニスは、野球の球と同じくらいの大きさのボールを、野球のバットより遥かに大きなラケットで打つのですから、一見、簡単そうに思えます。しかも、今のラケットは昔と違って、どこに当たっても、それなりに打てるように改良されているので、なおさら簡単に思えるでしょう。
ところが、きちんと当てるのは思った以上に難しいのです。

そこでおまじないの一番目。
「見て」とは、文字どおり、ボールをよく見ることです。単に見るだけではなく、ボールの速さや方向を見極め、ラケットにあたる瞬間まで目を離さないことが大切です。
「なんだ、そんなことか」と思われるでしょうか。ところが、見ているようで見ていないのがテニスです。ラケットが大きい分、ボールをよく見なくても、そこそこ打ててしまうからです。ラケットに当たる瞬間までよく「見る」こと。それができれば、テニスはもっと楽しくなるはずです。

おまじないの二番目。
「溜めて」とは、体を捻って、バネのように力を溜めることです。
「溜め」が大事なことは、ゴルフも同じですね。ゴルフでも、ボールをよく見て、体の回転を利かせながら、なめらかにスウィングすることで、正確に遠くまで飛ばせようになると言われています。

ましてや、高速で飛んでくるボールを打ち返すテニスでは、ゴルフ以上に溜めを作るのが難しいと言えるかもしれません。ボールが飛んでくると、どうしても、焦って早打ちをしてしまいがちです。ろくにボールを見ないで打ち急いでは、きちんと当たらないのも当たり前ですね。

おまじないの三番目。
「強く」には、ラケットを「強め」に振ることと、「強気」で振ることの二つの意味を持たせてあります。

飛んでくるボールの勢いに負けないようにするためは、それなりの力でラケットを「強め」に振ることが必要です。と言っても、力んではいけません。あくまでもしなやかに、飛んでくるボールの勢いを利用して打ち返すことが大切です。相手のボールが強いときは、ラケットに当てるだけでも十分です。それでも、当たる瞬間はしっかりラケットを握っていないと、ボールに跳ね返されてしまいます。
私はあくまで力まず、強めにを、心がけています。

「強気」は、「ポジティブに」と言い換えることができます。
相手がパワフルだったり、上手だったりすると、どうしても弱気になりがちです。それでは闘う前から負けてしまいます。自分に自信がなくなると、ボールを「見る」ことも、体に「溜め」を作ることもおろそかになり、ますます弱気になって、実力を出せないまま試合が終わってしまうことがよくあります。

私はあまり勝負ごとが好きではないので、テニスの試合も勝つことより楽しむことを大事にしたいのですが、それでも負けると悔しいのはどうしようもありません。楽しく勝つことができれば最高ですね。

そのためには、「強気」になることです。強気になって、自分のテニスをするように心がけること。それができれば、勝っても負けても、結果は二の次です。

「み・た・つ」
これが私のテニスのおまじないです。おまじないですから、うまくいくことも、いかないこともありますが、そう心がけることで、以前よりテニスを楽しめるようになったのは確かなようです。

どうですか、みなさんも、試してみてはいかがでしょうか。

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