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近未来小説「ある日の"未来"」

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西暦2032年 10歳の「発達個性」の男の子"未来"の、ある日の1日を通して、地球温暖化が限界点を越えてしまった地球と人類の近未来を描写する。
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小説「ある日の"未来"」 第1話

「水」 あまりの寝苦しさに、未来は目が覚めた。 汗でシーツがべっとりと濡れている。カー…

小説「ある日の"未来"」 第2話

「食料」 未来は冷蔵庫の中を覗き込みながら、何が作れそうか考えている。今朝は、未来が食…

小説「ある日の“未来”」 第3話

「学校」 未来は、ばあにゃからもらった真っ赤なトマトを、いかにも大事そうに冷蔵庫にしまっ…

小説「ある日の“未来”」第4話

「メタバース」 未来はいくつものメタバースを渡り歩くのが好きだった。 公式のメタスクール…

小説「ある日の“未来”」第5話

「デザイナーベビー」 リビングでは、ママがパソコンを操作しながら、ひとりで未来を待ってい…

小説「ある日の“未来”」 第6話

「平和」 未来は部屋に戻ると、学習ロボットを相手に、午後の勉強を始めた。 「午前中の…

小説「ある日の”未来”」第7話

「ごみ」 「今日の勉強は、これでおしまい!」 と未来が言うと、すかさず、学習ロボットが応じた。 「まだ、国語が残っているよ」 時計を見ると、午後2時を過ぎたばかりだった。 たしかに、まだちょっと早いかな……。 でも、今日は苦手な社会をいっぱいやったから、もう疲れちゃった……。 と自分に言い訳しながら、未来はまだ何かブツブツ言っている学習ロボットの電源をさっさと切ってしまった。 リモート学習は、自分のペースで勉強ができるからいい。そのかわり、怠けていると、あと

小説「ある日の”未来”」第8話

「エネルギー」 勉強に疲れた未来だったが、ばあにゃのくれた特大の焼き芋を食べて、元気…

小説「ある日の“未来”」 第9話

「スーパーパンデミック」 未来が2階に上がろうとしたその時、電力モニターが、 “ピン…

小説「ある日の”未来”」 第10話

「長寿」 翌朝、未来は目を覚ますと、いつものように勢いよく部屋のカーテンを開けた。そ…

小説「ある日の"未来"」第11話

「格差」 ばあにゃの容体は落ち着いてきてはいたが、医者からはもう少し様子を見たほうが…

小説「ある日の"未来"」第12話

「ノアの方舟」 ママは家に戻るとすぐに、パソコンのメールを確認した。リモートワークが…