映画レビュー 29作目 その男、凶暴につき

今回は、1989年公開の北野武初監督、その男、凶暴につきをレビューする。

北野武演じる我妻は、逮捕の為なら、暴言、暴力を行う刑事である。
彼は、ある日、麻薬事件を担当する事になる。
その事件には、実は、警察が絡んでいたのだ
と言った内容だ。

この作品の見所は主に2つある。
1つ目は我妻の心情であろう。
レストランで呼び出された時の会話、(残念ながら、話の内容を聞く事はできない)
クビになって、絵画を見て、バッティングセンターに通うシーン
歩いているシーン
など、その時々に、彼が何を思っているかが本当にわからないシーンが多々ある。
そして、極めつきは、最愛の妹を最後、銃で
撃ち殺すシーンである。
あんなに、大切に守っていた妹をまさか撃ち殺すなんて、
薬漬けにされても、もっと他に対応があったのではないかと思う。

2つ目は、北野武の演出である。
先程のシーンに加えて、スローモーション、
犯人の逃亡劇、
我妻の暴行シーン、
など、最後まで、視聴者を飽きさせず、ゾクゾク
させて、何度も私達の予想を超える展開を見させてもらえた作品だった。
物語の展開、音楽の入り方、俳優さんの動き、全てから見て、私が言える立場ではないのだが、
これが、初監督であり、芸人さんが作った作品だというのが本当に信じられない。
ベテラン監督の作品だと言っても、全然、疑わないと思った。

一方、気になった点が1つあった。
それは、妹がなぜ、殺し屋の清弘と交流を持つようになったのかという点だ。
そこが、個人的に見ていて、よくわからなかったので、出会いのシーンを見てみたかった思った。

星は、4.2



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