映画レビュー 26作目 ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years

今回は、先日、改めて、2016年公開のザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Yearsを視聴したのでレビューしていく。

https://m.youtube.com/watch?v=q_htmDjiJHo

本作品は、2012年に突如ファン等に告知して行われたビートルズライブプロジェクトの集大成として、主にピートルズのライブ活動に焦点を当てて作られた作品である。
私自身、公開日初日に映画館に見に行った思入れのある作品であり、もう公開から8年も経ったのかという印象である。


https://m.youtube.com/watch?v=GLz5xtR40fQ

本作品の感想としては主に7つある。

1つ目は、ライブプロジェクトで貴重映像を集めたはずなのに、その映像がほとんど使われておらず、結局いつものビートルズのライブパフォーマンスで構成されている事だ。
この事は非常に残念に思う。
思ったより映像が集まらなかったのだろうか?

2つ目は、1963年までの出来事が非常に簡潔にまとめられている事だ。
私は、彼らのライブを語る上では、デビュー前のハンブルク時代が非常に後の彼らの演奏技術発達点として重要となると考えている。
なのに、この映画では、ハンブルクに行った、
大変だった、みんなでトップのさらに上を目指そうと話したくらいしか語られていないのだ。
また、ピートベストを一切映画に登場させないのもどうかと思う。

3つ目は、主にアメリカ公演の事を中心に語られているという事だ。
本作品は、アンソロジーでもあまり語られなかった1964年のアメリカツアーやキリスト発言の真相に長く時間をとっている。
この点は良いと思うが、逆に、ワールドツアー、ヨーロッパツアー、フィリピン、日本などと言った他の公演でのエピソードが極端に少ない。
アメリカツアーに重点を置くならば、タイトルの変更を行うべきだったと思う。

4つ目は、モノクロ映像を無理やりカラー化している点である。
ワシントン公演、記者会見映像、ブラックプールナイトなど今までモノクロ映像でしか見れなかった映像がカラー化されている。
このカラー映像が、無理やり色をつけたかのような薄いカラー色の映像となっている。
これだったら、慣れ親しんだモノクロ映像で
全く問題がなかったと思う。
なぜ、カラー化にしてしまったのだろう?

5つ目は、音声についてだ。
この映画では、映像と音源が両方あるライブなのに、映像の演奏日と音源が合っていないという報告をしているビートルズ研究家が何人もいる。
なぜ変えた!
どちらかがないならまだしも、両方あるのに
変える意味がわからない。

6つ目は、浅井慎平のインタビューだ。
この映画、実は2バージョンあって、日本で
公開されたのは、海外版より2分長いバージョンとなっている。
今回、日本公演を語るのは、来日写真集を任された浅井慎平である。
彼のインタビューが正直言いたい事がよくわからない。
アナザーストーリーズのビートルズ来日特集の時も彼が出ていたのだが、そっちのインタビュー映像の方が数億倍良かった。

7つ目は、クリスマスレコードだ。
この作品、ライブ映画と言いながら、ライブとは関係のない、レコーディング風景や全アルバムの紹介シーンもある。
正直、そのシーンは必要だったのかと思うが、
エンドロールに流れるクリスマスレコードはとても良かったと思う。
ピートルズは、レットイットビーのカップリングに、ユー・ノウ・マイ・ネームを持ってきたりなど、正直予想もしない事を行うバンドである。
この映画でもその予想をしない事を行なっているのである。
まさかまさかのクリスマスレコードですよ。
でも、このような事を行うのがビートルズなんだなも改めて気付かされた。

色々と感想を書いてきたが、ビートルズ初心者の方には、ビートルズってこういうバンドだったんだとわかりやすく気づく事ができるのではないかという点についてはいいと思うので、
星は4つ。

この後、ゲットバックが作成されたので、あまり語られない作品となってしまったが、この機会にもう一度視聴するのはどうだろうか?
ただ、ピータージャクソンが制作する、ライブ映画も見てみたいとも思う。
彼ならもっと、レア映像を使ってくれると思うので



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