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死んだおじいちゃんが伝えに来てくれたわたしの妊娠

20年ほど前の今頃、わたしのおじいちゃんが亡くなった。

カレンダーを見ていたらそんなことを思い出したので彼が亡くなってから起こった少し不思議な出来事を書きます。

私には、今、中学生の息子と高校生の娘がいる。

しかし、結婚してすぐにこの子たちが出来たわけではなかった。
早めに子供が欲しかったんだがすぐには出来なかった。

2年たっても出来なかったので、病院に言ったが夫婦ともに問題はなく、どうしてできないのか分からなかった。タイミングを考えてやったり、出来る限りの事はしていたつもりだ。

けど、なかなかうまくいかず私は不安になってきたので、あるとき母にそのことを愚痴った。

「ねえ、なんで出来ないんだろう~。」
「そうねぇ。でもそんなに気にすることないんじゃないの。」
「だってさぁ…、体力的な事もあるし出来るだけ早く欲しいんだもん。」
「大丈夫よ、もうすぐ出来るから。」
「何で分かんのよ。」
「まぁ、なんとなく…ね。出来んのよあんたは。心配しなくても。」

その時の母の言い方が、私を元気づけるために言ったというより、確信を持って言っている気がした。

でもそれが不思議だった。

何を根拠にそんなことが言えるんだ?

そしてそれから1年後、娘を妊娠することが出来た。

初孫になる両親はとても喜んだ。もちろん私たち夫婦も。

そしてある時聞いてみた。あの時の事を。

「ねえ、私がなかなか出来なくて悩んでた時さぁ。何であんなに自信たっぷりに出来るって言えたの?」
「んーっとね、おじいちゃんが教えてくれた。」
「おじいちゃんて、亡くなったおじいちゃん?」
「そう。」

私の祖父は私が結婚してその一年後くらいに亡くなった。
結婚式には来れたがもちろん孫は見ていない。
そのおじいちゃんとは小さいころから私が結婚して家を出るまでずっと一緒に住んでいたので結構近い存在だった。

「亡くなってるのにどうやって聞いたのよ?」
「実はさ、あんたが子供出来なくて悩み始めたとき、おじいちゃんが私の夢の中に出てきたのよね。」

おじいちゃんが出てきたという母の夢とはこうだった。

母は気づいたら広々とした草原に立っていた。
見渡す限り一面の草原。
建物も木も立っておらず、上を見上げると澄み切った青空が広がっていた。さわやかな風が辺りを駆け抜け、草を揺らして緑の波を作っていた。

見渡すとポツンとこたつが置いてあり、誰かが座っていた。

よく見ると亡くなったおじいちゃんだった。
こたつで暖を取っているようだった。

母に気づくと、おじいちゃんは何も言わずに近づいてきた。
母も何も言わなかった。
すると、おじいちゃんは母に白い封筒を手渡した。

母がそれを受け取ると、おじいちゃんは無言のままにこっと笑って消えてしまった。

封筒を開けるとそこには手紙が入っていた。

そして、家族一人一人にメッセージが書いてあったらしい。

毎日仏壇に手を合わすおばあちゃんには、
「何もいらないから、コーヒーだけおくれ。」
コーヒー好きだったおじいちゃんらしいメッセージ。
お父さんとお母さんには、
「わしが先に逝ってしまったから、おばあちゃんの事をよろしく。」

そして私には、
「心配せんでも、あと2〜3年で子供は出来る。わしは女の子だと思う。」

と書いてあったらしい。

母は夢の中で何度も何度も手紙を読み、起きたらすぐにそれを書き留めた。

私は、2〜3年で子供が出来たこと、女の子だったことが全て当たっていたので鳥肌が立った。

「じゃあさ、どうしてお母さんはこの子が出来る前にその事話してくれなかったの?」
「んー、あんたの性格からいくと、先に話すことで安心するっていうよりプレッシャーになるだろうと思ったからね。
話して万が一出来なかったりしたら、きっと落ち込み方がすごいと思うから。今は出来たから話したけどさ。

けど、私は絶対出来ると思ってた。これは理屈とかじゃないんだよね。
だって、おじいちゃんがそういったんだもん。」

と母は笑って言った。

母の気遣いにもとても感謝した。
やっぱり親なので私の性格をよくわかってくれてる。
この話は今聞く方が正解だ。

私はあまり死後の世界とか霊的なものはそこまで信じる方じゃなかったけど、この出来事を機に徐々に信じるようになってきた。

そして改めて亡くなってからも生きている私たちを気にかけてくれる存在がいることをととても有り難く思う。

皆さんにも必ずそういう方がいると思います。
たまにで良いのでそういう方に心の中で手を合わせていたら、どうしようもない時何か教えてくれたり、助けてくれるかもしれません。

そして、どんな形でも助けてもらったと思う時必ずお礼をいいましょう。

私も改めて思います。

見守ってくれてありがとう、おじいちゃん。


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