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【ご報告とお願い】目の前にある子ども達の笑顔に満足してはいけないと思ったお話

日頃よりモヨ・チルドレン・センターの活動を応援・ご支援をいただきまして、ありがとうございます。代表の佐藤南帆です。

日本全国のご支援者さまへの活動報告のため、4月に1ヶ月半ほど日本に帰国し、ケニアに戻ったのは5月中旬。あれから飛ぶように日々が過ぎ、あっという間に4ヶ月が経過しました。おかげさまで子ども達はじめモヨ一同、元気に過ごしております。

現場スタッフの日々の弛まない努力に助けられながら、子ども達が安心できる居場所作りに向き合う日々。

モヨに入居した当初の暗い表情からは想像できないほど、安心した表情を見せ、無邪気な笑顔を解き放つようになる子ども達の変化。そんな変化に日々原動力をいただくかけがえのない毎日です。

一方で「目の前の子ども達の笑顔に満足してはいけない」と強く思い、今後の方針について改めて考えるきっかけをいただいた"出来事"がありました。

本noteでは、前述した"出来事"をお伝えするとともに、10月29日に控える大切な年中行事「ナイロビマラソン・チャリティラン・サポーター募集」のお願いについて、お伝えできればと思います。

どうか、最後までお読みいただければ嬉しいです。

今更子どもを引き取れって言われても…

幼い頃に両親を亡くし、シンナー中毒、路上で生活していた少年「A」は2012年にモヨに入居しました。

10年という長い年月をモヨで過ごし、昨年末、Aは高校を卒業し、18歳になりました。

Aの希望もあり、親戚のおばさんに引き渡すことに。親戚は、大学の入学準備も含めた「親」としての責任を果たすことを約束し、モヨを卒業しました。

しかし結局、親戚は家賃の初期費用と、生活に必要な最低限の物品だけ用意し、Aの前からいなくなってしまったと。

親戚に事情を聞いてみると「何年も離れて暮らしていて、今更引き取ってと言われても難しい。18歳は大人なんだから自分でなんとかして」と保護者としての責任を果たせないと言われてしまいました。

Aは今、大学の入学準備は愚か、日雇いで1日200円稼げるか稼げないかのギリギリの生活をしています。

まだまだ精神的・金銭的なサポートが必要ですが、ケニアの法律上、18歳になったら成人とみなされ、児童養護施設で保護することはできません。

一方で、親戚自身も長年、”Aなしでの生活”を成り立たせていました。ゆえに、急に「18歳になったから実の子どもではないけど引き取って欲しい」と依頼されても、混乱が大きく「今更…」と思ってしまう気持ちも理解できなくはありません。

モヨを卒業した時の、自信と希望に溢れたAの表情とは打って変わって、途方に暮れ、唇を噛みしめながら、大粒の涙を流す彼。

「これまで何ができたんだろう」
「これから何ができるんだろう」

まだ明確な答えは見つからず、今後どのようにケア介入するかを、改めてAと親戚を巻き込みながら話し合いを重ねています。

このケースを通じて、子どもがモヨに入居したらできるだけ早い段階で卒業後のプランについて、家族・親族などの関係者を巻き込みながら検討する必要があると痛感しました。

そして、取るべきアクションを今一度見直し、子ども達がモヨに入居してから出来る限り早く、下記①②を実施することにしました。

① 「Social Inquiry(社会調査)」の実施
モヨに入居した時点で今までの生活環境、拡大家族を含む家庭環境をとことん調べる(家庭訪問、学校訪問、地域訪問などを通じて、関係者に聞き込み調査をします)

②「Exit Plan(出口計画)」の検討
毎週のケースカンファレンスにて保護者の元に返すための個別的ケア介入を検討。保護者候補者の生活環境の変化をフォローアップし、随時ケアプランをアップデート。帰る場所がないケースは、彼らの経済的な自立のための直接的な介入についての長期的なプランを検討する。

子ども達にとっての拠り所が『モヨ』だけであり続けないように、モヨ以外にも頼れる所を見つけられるように早期に多角的な介入を強化していこうと思います。

ケニア政府が打ち出す「脱施設化」のあおりもあり、今後は「施設型の支援」から「アウトリーチ型支援」へのシフトする可能性も考慮しつつ、支援の方法も状況に応じて再検討を重ねなければなりません。

「脱施設化」
施設収容者を減らして地域コミュニティの中でのケアを促進する方針。

子どもひとりひとりに違った生活背景があり、共通したお手本のようなケア介入はないということを十分に理解した上で、どのような介入が子ども達の「自立支援」となるのか、引き続き模索してまいります。

まだまだ未熟者で至らぬ点ばかりですが、今後とも皆さまのご支援・ご協力をいただけると幸いです。何卒宜しくお願いいたします。

モヨ・チャリティラン・サポーター募集のお願い

この度、モヨの活動資金を募るため『チャリティランイベント』を実施します!

チャリティイベントを通じて、モヨをご支援いただく方々を募集したく、下記にお知らせさせていただきます。

モヨの子ども達・スタッフは、10月29日(日)に開催されるナイロビマラソンに参加し、完走を目指します!!

皆様に、子ども達・スタッフの個別サポーターになっていただき、サポートいただいた子ども・スタッフが無事に完走できたら「走行距離 x 1,000円」をモヨにご寄付いただくというチャリティランイベントです。

昨年はなんと114名の方がご賛同いただき、合計約260万円のご寄付をいただきました。

ぜひ、少しでも興味がある方は、下記をお読みいただき、サポーターとしてモヨチームの完走を見守り、ご寄付いただけると嬉しいです。

昨年参加時、完走後の様子

ナイロビマラソンとは?

スタンダード・チャータード銀行主催
2003年に初開催・今回は20回目。ケニアで最大の単発スポーツイベント。

昨年参加時、笑顔でゴールする子ども

チャリティラン開催の経緯

モヨがこの「チャリティラン」を始めたのは2007年。モヨ創設者の松下照美さんが、スタンダード・チャータード銀行にお誘いをいただいて参加し始めたイベントです。

「チャリティランに参加することで、子どもたちと一緒にモヨをアピールできる!子どもたちも資金調達に貢献できる!」と、子ども達も大賛成で参加してくれています。

毎年、皆様の応援のおかげでほとんどの子どもが完走することができ、イベントを通じて多くのご寄付をいただいており、モヨにとっても、子ども達にとっても、大切な年中行事のひとつとなっております。

ご寄付までの流れ

サポーター登録
(登録方法は後ほど記載いたします)

サポートいただく子ども・スタッフをこちらで割り振り
(※ご希望であればサポートする子ども・スタッフをご自身でご指名いただくことも可能です)

ナイロビマラソンイベント当日(10/29)に子どもたち・スタッフは完走を目指して走る

子ども・スタッフが完走したら『走行距離 x 1,000円』をサポーター様がモヨにご寄付いただく

※毎年ほとんどの子どもが完走することができていますが、万が一、サポートいただいた子どもが完走できなかった場合は、ご寄付をいただくことはございません。

ご寄付の使い道

  • 子ども達の食費・日用品費

  • 施設の電気代・水道代・維持費

  • 子ども達の学費

などモヨの運営費として使わせていただきます。

モヨでは、子ども達全員分の生活費だけで、1週間あたり約60,000円が必要になります。

21km分(21km x 1,000円=21,000円)のご寄付をいただきますと、子ども達の生活費、約2.5日分を賄うことができます。

参加する子どもとスタッフ

10kmコース

  • 子ども:15名

  • スタッフ:2名

  • 合計:17名

21kmコース

  • 子ども:13名

  • スタッフ:9名

  • 合計:22名

42kmコース

  • スタッフ:3名

以上、42名全員で完走を目指して走ります!

サポーター登録方法

下記の登録フォームよりサポーターのご登録をお願いいたします。

▶︎登録フォームはこちら

ご自身でサポートする子ども・スタッフをご指名することをご希望する方は別途、個別にご連絡させていただきお選びいただきます。

※ご登録確認後、こちらからメールをお送りしますので、for.moyochildren@gmail.com からのメールを受信できるようにご確認いただくようお願いいたします。

最後に

子ども達・スタッフと一緒に楽しみながら、そして精一杯完走を目指して走りますので、どうか、どうかサポートをお願いいたします!!

モヨの活動を守るためには、皆様からのご寄付が必要不可欠です。温かいご支援をお待ちしております。

お申し込み方法などで、ご不明な点がある方はお気軽に for.moyochildren@gmail.com にメールいただけますと幸いです。

昨年足を痛めながらも気合で完走した子ども

▼モヨ代表就任当時に綴った想いはこちら




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