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これもまたニッチなバンドの隠れ名盤?ANDWELLA- 『PEOPLE'S PEOPLE』


これまで様々な年代の音楽好きな方々と話していて、ANDWELLA(アンドウェラ)と言って一発で話が通じた人は片手に収まるくらいしかいません。
そのくらい、ニッチなバンドだと知ってなんだかうれしかったのを憶えています。

このANDWELLAのボーカルやピアノなどを担当するバンドの中心人物が、Dave Lewis ことデイヴィッド・ルイスです。
以前、彼のソロ作『Songs Of Dave Lewis』について書きましたが、
私はDave Lewisを先に知り、追ってANDWELLAを知りました。
彼の活動とは時系列が逆になります。

この『PEOPLE'S PEOPLE』は彼らがまだAndwella's Dreamというバンド名でリリースした『Love&Poetry』から数えて3枚目のアルバム。
セカンドの『World’s End』も名盤だと思いますが、
やはりこの『PEOPLE'S PEOPLE』が一番だと思います。

本作のサウンドはよく「ザ・バンドのような~」や「アメリカ憧憬の~」的な解説をされます。確かに、リリースされた70年代初頭のアメリカンロックのの香りはします。影響を受けていることは十分に考えられます。

しかし、私個人的には、曲の随所から感じる情緒や繊細さ、彼の出身地である北アイルランドの冬の空気感のようなものが垣間見える部分に惹かれます。

歌詞もしっとりしているというか、「人生の学び」的なものを歌っているようで深い。
愛について歌う曲でも、情熱的な愛、恋について歌うのではありません。
デイヴィッド・ルイス自身が人生で学び考えたことを歌うようで、この世界観がすごく好きです。

例えば、表題曲People'S Peopleの歌詞は、
今いる場所で不安を憶えた主人公が故郷の田舎に帰り、家族や仲間と会い、安心する。そして叶わなかった夢などを語り合いながら、田舎道を歩くうちに、「自分には支えてくれる仲間がいる」と気づき、心を解き放つ術を得る。
と、簡単にはこんな内容です。デイヴィッド・ルイスの渋い声とノスタルジックなサウンドで歌われると、心に染み入ります。

そんな本作を含むアンドウェラの3作がセットで再発されるようです。
かなりレアなアンドウェラのアナログ盤。
特にセカンドと本作はなかなかお目にかかれないうえに、中古市場でも最近では英国オリジナルなら万単位、オリジナル以外でも1万円近くの値が付けられています。

まさか発売があると思いませんでしたが、誰のどんな経緯で発売が決まったのか、今後情報が出てくることを楽しみにしたいと思います。



ニッチなうえにジャケ違いがあるってのもズルいですよね~。どっちもかっこいい。

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