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「おまえ!今辞めたら一生後悔するぞ!!」といわれた自転車旅

今日の朝の連続ドラマ「ブギウギ」での話である。

愛子は足の速さに自信があったのだが、学校にさらに足の速い子が転校してきた。その子と競争をする前日の夕食時に、愛子は翌日学校を休みたいと言う。そんな愛子にスズ子がこう言うのである。

「(学校を)休んだらええで。ただなぁ、逃げたらそのことは一生忘れられへんで」

この言葉を聞いて私は、高校2年生の夏休みのことを思い出した。

当時私は塾に通っていた。その塾には小学校5年生から通っていたのだが、非常に変わった塾で、夏休みになると近くの海岸でキャンプをしたり、四国の最高峰、石鎚山に登山したりと、いろいろなイベントが毎年の恒例だった。

そんな中で高校2年生が毎年行うのが、有志による自転車での四国一周だった。

私たちも高校2年生になり、この冒険に出かけることになった。有志は7人で、自炊しながらの7日間テント泊の旅なので、自転車は荷物でいっぱいである。

私はメンバーのリーダーだったこともあり、人よりも多くの荷物を運ぶことした。ちなみに自転車は普通の通学用自転車で自転車の重量だけでも結構ある。

早朝に今治市にある塾を出発し、初日は頑張ろうと言うことで宇和島まで走ることにしていた。約150kmの距離だ。

日頃から特に運動をしているわけでもなかった私は、後半になると疲れ果てて何度も休憩を取らざるを得ず、おおいにみんなの足を引っ張ることとなった。

そして、もう直ぐ宇和島というところまできた時に、私はサブリーダーのHくんに、「もうあかん!俺は、ここで四国一周は断念して電車で帰るわ」と言ったのである。

すると彼は、

「おまえ!今辞めたら一生後悔するぞ!!」

と言ったのである。

そして、他のメンバーに私の荷物を分配してくれた。荷物がなくなりぐんと軽くなったおかげで、私は他のメンバーと一緒に、なんとか宇和島にたどりつくことができたのだ。

体が慣れたのと、荷物が減ったことで2日目以降は他のメンバーに迷惑をかけることもなくなり、7日後に、7人は無事に今治に戻ってきたのだった。

私はこの出来事を一生忘れない。何か苦しいことに挑戦する時にはこの言葉を思い出す。そしてサブリーダーのHくんには今でも感謝している。

辛く苦しい時に、逃げたり辞めることは決して悪いことではない。それは自分自身の心身をを守るために必要な行為である。私も最初の会社は逃げるように退職した。もしも、我慢して続けていたら、体を壊していたかもしれない。

しかし何かに挑戦することがあるなら、まずは挑戦してみるべきである。そしてもしも、助けが必要であれば、周りに助けてもらえばいい。きっと助けてくれる誰かがいる。

誰も助けてくれないなら、逃げるなり辞めるなりすればいい。それは恥ずかしいことでもなんでもないのだから。


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