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千円札を破ったけど、銀行行ったら蘇った話

 そう、あれは大学の動物愛護サークルに入っていた時の話だった…。サークル内で親睦を深めあうため、プレゼンをすることになってね。

 決められたテーマはなし。なんでもアリなプレゼンで、自分はお金の話をすることにした。

 このnoteは、かつてありし日の備忘録であり。そして、信用創造っていうお金のマジックに迫るものでもある。

お金を信じる信者たち

 プレゼンの内容は結構シンプルでさ。


 昔は金本位制度っていう、国の信用とは違う制度で価値を裏付けてた。でも、自分がオギャーと生まれるより更に前、その制度は崩れてたんよ。

 そうして現代の貨幣は、国の信用のみがその価値を裏付けるようになった。

 価値がある、そう信じる人々の心のみがお金の価値を保証するようになったのさ。
 ちゃんちゃん。


 こーいう内容をプレゼンしようとしたわけ。
 で、一番強調して伝えたかったのはお金は信じるから価値がある!って部分やった。

「そうだ、千円札を破ろう」

 でも、さ。

 「みんな、お金の価値を心から信じてる。」

 口先だけじゃ、いくらでも言えるよ?
 でも、言葉で言い募るだけじゃ、実感なんぞできへんよなぁ…。そう悩んでさ。

 お風呂浸かってリラックスしてた時に、ピンときたんよ。

    「お金を破ればいいやん!

 あの時の閃きは今でも覚えてる。当時、我ながら天才やと思ったね。風呂浸かりながら、ひたすら高笑いしてたよ。
 「自分って天才やわー!!はっはっはっはっ」てな感じで。


 ・・・・・あれ、なんか文章にしたらやべーやつ感がすごいんやけど。おかしいな、そんなつもりじゃ…。

 ま、まぁさてとき、プレゼンの時にそのアイデアを実行に移したよ。

 一万円札を破った方が、インパクトは強かったかもしれんけどさ。日和った結果、千円札を破ることにした。
 あ、もちろん本物やから。

破った千円札、蘇る

 君、この話を読んでどう思った?

       「もったいない」

 こう思ったんじゃないかな?

 でもさ。実は、千円札、五千円、一万円札。これらの紙幣が破れてしまっても…、

 破れた破片があれば、同じ価値の紙幣と交換できる。

 てなわけで、当然交換しに行った。
 家から近い銀行に向かいましたとも。

自分「あの、すみません…千円札がちょっと破れてしまって… 」

(めっちゃ申し訳なさそうに、「わざとじゃないんです」アピール中)
 破れた千円札を見せる。

銀行のお姉さん「分かりました。この千円札は受け取らせていただきますね。それと、この用紙にご記入していただいてよろしいでしょうか?」

自分「はい、分かりました。」

 思ったよりも手続きは簡単やったし、10分もしないうちに新千円札をもらえたよ。ビビりながら来たのに、ぶっちゃけ拍子抜けしたな。

良い子は故意に紙幣を破ったりしてはいけません。

無限に増やせるお金マジック


 真似することはお勧めせんけど、紙幣を破っちゃっても新しいものと交換できる。それもタダで。

 なんで、こんなことができるのか?

 その答えは、信用創造っていうお金のカラクリにある。

 信用創造ってなんなのかって説明するとね。

 銀行はいくらでもお金を生み出すことができるってこと。銀行に信用がある限り、っていう制限はあるけどな。

 世の中じゃ、色んな形でお金が使われてる。でも、実は現金はあんまり使われてない

 現金を使うのは、個人との取引ぐらいなんよ。それ以外の全てじゃ、現金なんてのはあんまり使わん。

 じゃあ何を使ってるかって?

 銀行の預金を振り込むor手形を使ったりする。 

 君は、バイト、パート、正社員、契約社員。なんでもいいんやけど、働いたことはある?

 当然、働いたら給料をもらうわけやけどさ。その給料、銀行の口座に振り込まれたことあるんちゃう?
 (職種によっては現金払いかもしれんけどね。)

 手形っていうのは、簿記の資格勉強をしてたり、ビジネスの経営やってたり、あるいは経理のお仕事の経験があったら分かると思う。

 簡単にざっくり説明すると、一定期間の後にお金に変えられる券のこと。

 銀行振込、手形。
 そーいう紙幣や硬貨とかの現金と違うこの二つが、お金として主に出回っとるわけ。
(手形は時代遅れのものとして扱われるらしいけどな)

 忘れちゃいかんのが、この二つは紙幣や硬貨とはまた性質が違う。

 どれにせよ、銀行が発行してるんよな。
(現金も日本銀行が発行してるけど)

 
 ただ現金と違うのは、理論上は無限に増やすことができるってこと。

 銀行の口座も、手形も、あくまで現金を交換するためのもん。でもな、交換できるからって、現金を全部引き出すようなことはまずない。

 大抵は、手形のままで取引に使ったり、銀行口座から別の口座に振り込んだりするんよ。

 わざわざ現金に替えたりせんの。

 ・・・・ってことは、さ。
 銀行はお金を貸すことで稼いでるんやけど。

 お金を貸す時に現金を用意する必要ある?
 
要は、ほんの少しを準備しとけば足りるってことよな。

 ・・・・ってことは。
 銀行がお客さんにお金を貸すときにさ、お金(口座や手形など)を増やしてしまえば更に儲かるんじゃない?

 そうやって、今日も銀行は、何もないところからお金を増やすのです。

 これが信用創造と呼ばれるものの正体やね。

存在するという弱点

 万物全てに当てはまると思うんやけど、ただそこに存在すること自体が長所にも短所にもなりうる

 当然、信用創造にも当てはまる。
 なぁ、君。なんでこんな詐欺じみたことがまかり通ると思う?

 これは銀行に信用があるからなんよ。

 どんな信用があるか?

 銀行はお金の安全を保証してくれるっていう信用やね。

 じゃあさ、銀行から信用がなくなるとどうなると思う? 

 当然、その銀行から現金を引き出そうとする人が続出する。銀行が倒れたら、預けたお金がおしゃんになるもん。
 ただ、残念ながら銀行は、預金と同じ額の現金は用意してない

 銀行は自分とこにお金を貸してくれてる個人、あるいは企業、団体についにお金を返せなくなる。これを債務不履行(デフォルト)と呼ぶ。

 お金を返せなくなり、お金を貸すための種金もなくなり。銀行は首が回らなくなる。
 んで、倒産する。

 銀行は信用がなくなると死ぬ、とても儚い組織なのだ…。 なお、本当にヤバくなると国が助けようとするけどね(大手に限る)。


 ところで、ほとんどの日本人は銀行にお金を貸してあげとる。普通預金って形でな。

 投資の対価のはずの金利はアホみたいに低いけどな!(ボソッ)

 それと同時に、間接的に普通預金を通してやけど日本の国債を買ってる。ゆうちょの口座持ってる人なんかは特にね。
 
 ジャパニーズはもっと経済に関心を持った方がいいと思うよ。いやマジで。 

まとめ

Q. 千円札を破っても、なんで銀行で新札と交換できるか?

A. 銀行は無限にお金を増やせるからです。

 これが今回のnoteで伝えたかったことやね。

 詐欺師みたいなやり口やけど、世の中こーいうもんである。 
 誠に遺憾ながら、ルールは弱者を守るためでなく、強者を守るために作られることが多いのである。悲しいね。

 だから学ぶってのは大事なんよ。
 君が食い物にされんように、大事な人を守るために。

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