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読書感想 中島敦 山月記
有名な「山月記」。初めて読みました。
難しかったけど、とても良かったです。
優秀な役人が、役人を辞め詩人になって名声を得ようとしますが、生活は困窮する一方となり、ついにはトラになり果てる話です。
(間違ってたらごめんなさい…)
以前投稿した叉吉直樹さんの書籍
「第二図書係補佐」のなかで「山月記」が紹介されていて、その文章がすごく素敵だったのを覚えています。
叉吉さんが虎になりかけた話です(ホントだよ)
虎になってしまうような感情がすごくわかりやすく書かれてます。
良ければぜひ読んでみてくださいね。とても文学的な佇まいを纏ったエッセイです。
「人間がトラになる話」だと知っていても、実際に読んでみて、
「ほ、本当に虎になる話なんだ……」と改めて思いました。笑
なんで虎になっちゃったんでしょう。
作中、それは臆病な自尊心と尊大な羞恥心のせいだと書かれています。
つまり、自尊心が高いのに思いのほか結果が出ず、だからといって、結果を出すためになりふり構わず行動したり、努力したりするのを皆に知られるのも恥ずかしい、プライドが許さない、みたいな感情をこじらせてしまったのかしら……
これ、文章にするとあっけないけれども、
結構耳が痛い方も多いんじゃないかなと思いました。
こういう状況って、虎になったりはしないまでも、自分の中の激しい感情がグツグツ煮えたぎりますよね。
私は全てにおいて凡庸な人間なので、何をするにもある程度の努力が必要です。
なので、「こんなの私にゃ出来ねぇ〜よ!」と素直に言えます。
一方夫は器用貧乏で、基本なんでも出来ちゃうもんだから、恥をかくことに慣れてないように見受けられます。
道を見誤って、うっかり虎になってしまわないかと心配です。
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