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損益計算書を効果的に使える考え方

前回は損益計算書の役割についてご説明させていただきました。

今回はその役割を最大限に発揮するために「考え方」についてご説明させていただきます。

まず、この「損益計算書」を作成する手順についてご説明いたします。

これには、これまで紹介してきた貸借対照表には会計の知識ってちょっぴり必要なんですけど、この「損益計算書」って会計の知識なんて必要ありません。

単純に1年のうちの収入をひっくるめて同じように支出を引いて、結果プラスだったら黒字だし、マイナスなら赤字だよってだけのものです。

前回にもお伝えしたように1年間の売り上げに対応する売上原価、つまり仕入れなどが計上されるのですが「期首商品棚卸表」や「期末商品棚卸表」というのは何でしょうか?

これは今期に仕入れた商品であったとしても最後に売れ残ったものは売り上げに対する仕入れではないため「期末商品棚卸高」として売上原価から除きます。


売上総利益

これは売上から売上原価を引いた数値です。

売上原価は「粗利」ともいわれてて、ここが赤字という事業だったら持続不可能です笑

粗利率

ここで売り上げに対して売上総利益が51%あるのがわかってもらえると思います。

これが「粗利率」といって、1つの商品を売ってだいたいどうれくらいの割合で儲けを出しているのかといことが把握できるのです。

販売管理費及び一般管理費内訳書

これは「損益計算書は成績表」でもお話しさせていただいたように

売上総利益 − 販売費及び一般管理費

の公式で求めます。

何度も言いますが、これがあなたの事業の1年の成績書となるのです。

営業外系

ここでは通常の事業の中で発生する損益以外の項目が必要に応じて記載されていきます。

税引前、税引後の当期利益

これらは、経常利益より下の営業外や特別のものを加味して計算します。

当期利益 = 経常利益 ± 営業外収益・費用 ± 特別利益・損失

以上のような公式で求めることができます。

なお、税引後につきましては、ここからさらに法人税などの税金をマイナスして完成となります。

損益計算書というものは貸借対照表と違って、1年間の損益に関する項目を重要なものから計上していき、最終的な差額を求めるという考え方によって成り立っているのです。

ここからは、この損益計算書を最大限に活用するために、そのメソッドについてご紹介していきたいとも思います。

まずは収支計画表

収益計算書は「収支計算書」というものに名前を変えて登場します。

この「収支計算書」とはなんぞやということで説明を進めますと、あなたの事業がスタートした時に、それから数年間、毎月毎月の事業を行なっていく過程でどのような損益計算書を作成できるのかという見込みを表したものとなります。

損益計算書というのは、これまでにお話したようにあくまで現実に基づいた結果の表が、ここでの収支計画書というのは、今から事業を始めるにあたって、どのような儲けを出すことを見込んでいるのかという計画を表すものなのです。

そんな損益計算書ですが大きな目的は以下の2つ

1.あなたの事業が今後どのような結果を出すのかを示す

2.事業計画に適切な伸び率を示すことによって、あなたの事業の成長性をアピールすることができる。

両者は銀行などから融資を受ける時に、「これだけの結果を出せるので計画的に返済することが可能です」とアピールするために必要です。

資金を提供する側はあなたの事業にお金を出す理由は利息であったりのリターンが目的です。

それ以前に資金を提供して回収できるかというところを判断します。

ここで赤字の計画なんかでは意味がないのですが、せっかく作った計画も絵に来た餅では意味がないのです。

現実と照らし合わせて事業を進めていく覚悟で事業計画を作ればどうしても最初は赤字になってしまったりするのです。

ただし、ある程度の時点で黒字体質に持っていくというよいうな利益の出る事業であるということがアピールできれば問題はありません。

絶対に儲かる!なんて計画したところで家賃だの人件費などもそうですが想定外の出費があったりで、いつまでたっても利益がでないなんてこともあります。

その時には最初の事業計画を見直して、改善して、確実に将来利益が出る計画に修正し直さなくてはなりません。

この「開業時資金計画書」は金融機関向けのものだったりしますが存外、収支計画書を作成するにあたって、自分自身の事業について見つめ直す良い機会になるのでぜひ、作成していただくことをオススメします。

それに連動して資金繰りについても考えていかなくてはならないので、次回は資金繰りの回した方について効果的な方法をご紹介させていただきます。

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