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利他に生きるとき、本当の生が始まる「INOCHi」

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Hey! What's up people~!? 鎌田です。それでは編集者目線で気になった本をご紹介させていただきたいと思います。

今回はこちら、「INOCHi」です。

ホロニックマガジンINOCHiは、宗教・科学・芸術の多角的視座から次元を超えて「いのち」のあり方を問う、令和の時代にふさわしい『新・生命哲学』の学びの書として刊行されたものとなります。

「いのち」とは、私たちの肉体だけではなく、すべてに内在する宇宙意識そのものを指していて、これは本来、私たちの本質は、ひとりの個でありながら「宇宙の一元」すなわち根源である「いのち」そのものと一体であるというホロニック的存在なのだということだそうです。

本マガジンINOCHiでは、さまざまな分野からこのホロニックな生き方について紹介されており、多彩な画像と斬新なデザインはアートブックとしてもお楽しみいただけるのではないでしょうか。

私は本書を能動的ではなく、献本というカタチで拝読させていただきました。他のタスクもあったので、いつものように最後だけ読んで「積読」しようと思いましたが、気が付けば一気読みしていました。

「ぼくのブック・ウーマン」でも書きましたが、最初に「あとがき」を読むスタイルは、本の読み方として正しくはないのかもしれないのですけども、特別な例外というのは何にでも存在します。

バッファとでもいうのでしょうか。こういった余裕のようなものが人生を豊かにしてくれると考えます。そのうち読むであろう本の「あとがき」を読んで、頭の中で想像を膨らませたり、どんな内容なのか、ある程度知ってから読むと、きっと特別な関心を寄せるに違いないからです。

そして本書は、そうしたバッファゾーンに位置する、自分の心を豊かにしてくれる本なのです。

この本の紹介に絡むので、なぜ私が「積読」を推奨するのかについても説明します。

そもそも積読とは、

買っても机の上などに積んでいるだけで読んでいない本・新聞・雑誌等のこと。積ん読とも表記。 読書家なら必ず持っているもの。『本は腐らないから』『出会いは一期一会だから』『今読まなくても、ぜったい読むから』などと自分に言い訳する頃には、数百冊単位の積読を抱えている場合が多い。

(引用元:はてなキーワード|積読)

となっています。

かく言う私も、自分は「積読家」の一人であると自負していますが、最近は宮崎県立図書館の近くに引っ越したのと、kindle ultimateの数量制限により(10冊しかライブラリできない)、その冊数は少しだけ減少傾向にあります。

一般的に積読は忌避される風潮があって、「積読をなくすための断捨離術」のような本も増えてきて目指せミニマリストな昨今でございますが、実は積読をすることは悪いことばかりではないというところをご説明したいなと思った次第です。

私自身、積読のメリットを実感しているので、積読も悪くないないぞって思えるメリットを2つご紹介します。

まず一つ目は、大量の本を持っているというイメージが強い大学教授などの知の専門家が、テレビなどでインタビューを受ける学者の後ろには必ずといってもいいほど、ぎっしりと詰まった本棚が背景として映っているのを見かけませんか。

私も、京都大学で特別講義をさせていただいた時に招待してくれた教授にご挨拶に伺った時に、本の詰まった研究室の本棚について訊ねてみたことがあります。

「お忙しいのに、これだけの本をよく読まれましたね」と驚く私に、教授は「それは野暮な質問だよ」と苦笑いました。

読みきれるかどうか心配している時点で君は大きな損失をしている。買わないと選択した時点で読む機会は消失しているのだし、その本にはもう二度と出会わないかもしれない。だからとりあえず買っておくんだよ。自宅の本棚にあればいつだって読めるからね。

教授の語る言葉には重みというか説得力がありましたね。積読したものの未読の量の多さに悩まされていた私は、その言葉によって「積読」ってありだよねって自分の行為を正しいものとして罪悪感を覚えることなく次々と本を買うようになりました。

しかし、積読を避けようとする風潮には、「買っただけで読まないというのは作者への冒涜でお金の浪費だよ」あるいは「本当に本が好きだったら買った本を全部読むのだ」という考え方があるんだと思います。

でも、大学教授にだって沢山の積読があるわけです。積読の現場とそうではない人の考えにはこうした乖離があるわけです。

ここで二つ目のメリットとして、積読のポジティブな面について考えてみたいと思います。

全国の書店員が売りたい本を投票形式で決める賞として有名な「本屋大賞」の立ち上げにも関わってこられた博報堂ケトルCEOの「嶋浩一郎」氏は、自著の中でこう述べておられます。

買った本が積まれた状況は、自分が知りたいことや欲求の鏡だといえます。それが目に入るところにあって、日常的にざっと眺めるだけでも、相当な知的刺激になります。

積読が多い状況は「未読の本がある」という状況を示すことは確かなのですが、それは裏を返せば「多くのことに興味があって、それを知りたいと思っている」ことの証でもあります。

ですから、問題の本質に対する対処は「積読を減らす」ことではなく、「積読をどう活かすか」について考えるということなのです。

そりゃぁ積読を活かすいちばんの方法は、それを読むことなのは確かです。しかしそうはいっても本をどんどん読める状態なら、そもそも積読なんて生まれていませんよね。

そこで積読を具体的にどう活かすのかについて、積読をうまく活用する方法をご紹介します。

それは自分の書斎に「積読コーナー」を作ることです。書斎ではなくてもベッドサイドとか、テーブルだとか、場所はどこでも構わないと思います。

大切なのはなるべく、あなたの目のつきやすいところに、なるべく多くの本を配置しておくということなんです。視界に入るところに積読を置くべき理由は、プライミング効果という脳の仕組みにあります。

あなたは目にした物とか言葉などをしばらく無意識に脳の中で留めているんです。その状態で、前に見ていた物や言葉を再び目にしたり、関連した物事に触れたりすると、ハッと脳が普段よりも敏感に反応するという仕組みこそが、プライミング効果だというわけです。

ですから積読にもこのプライミング効果を活用してみてはいかがでしょうか。視界に入るところに積読コーナーを作っておけば、否が応にも目に入りますしね!

そのたびに「私はこういうことに興味があるんだ」「こんなことを知りたがっていたんだ」と深層心理に刻み付けることを繰り返す中で、あなたの感覚は自然に研ぎ澄まされ、新鮮なひらめきが生まれてくるのだと思います。

沢山の情報や機会が溢れかえる日常の中で、ときとして、大切なチャンスは埋もれて見えにくくなります。だからこそ限られたチャンスの気配に鋭敏になるよう思いついた時に手を伸ばせることは非常に大切なポイントになります。

そのチャンスは、あなたの積読の中に潜んでいるかもしれませんよ。

さて、このプライミング効果ですが、ホリスティックな生き方と本質的に同じなんですよ。

ホリスティックを語る上での障害は、スピリチュアルな話から入ると「魂」だの宗教チックな話になって敬遠されがちな話題になってしまいます。

しかし、バズワードや科学的な論拠を持つ話から入ると納得しやすいものなんです。

本書においてもスピリチュアルは語っていても学べることは、とってもシンプルです。魂を通じて自分の在り方や生き方について今一度問い直してみるということです。

どの項目も面白かったですし、シニア向けの哲学書とも言えますが個人的にはシニア予備軍にこそ心構えとして読んでおきたい愛読書間違いなしの書籍でした。

それではまたお会いしましょう!

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