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”頼まれごとは試されごと”目の前のことを一生懸命やっています。玉井別館 鬼頭洋輔支配人インタビュー

「日本の温泉旅館を元気にする」を掲げる温泉旅館再生ベンチャー 女将塾で働くメンバーを紹介していきます。今回は、同社直営施設である玉造温泉 玉井別館の支配人・鬼頭洋輔さんが登場です。2024年1月の支配人就任から2ヶ月ほどでの取材となります(記事の内容は2024/03/22取材時点での情報です)。

玉造温泉 玉井別館の支配人に至るまでの経緯

──女将塾に至るまでの経緯についてお聞かせください。

女将塾に入社したのは2022年で、二度目の転職です。

東京生まれ・東京育ち、大学は法学部・政治学科に進みました。大学受験時には目指していた職業もなく、宗教や哲学、歴史の勉強がしたかったのですが、滑り止めで受験して合格したのでその学部に進みました。大学時代にスーパー銭湯チェーンでアルバイトをしたことで、接客の楽しさを知りました。

就職活動は、”サービス業×地域”の軸で探していました。当時は都会に嫌気がさしていて、田舎で働きたい、地域に旅行して思い出づくりをするのを手伝う仕事がしたいと思っていました。新卒で箱根のホテルにサービススタッフとして就職し、東京の便利な生活からは離れることになりましたが、とくにギャップを感じるようなことはありませんでした。

新卒で就職した会社で7年ほど働き、転職を考えるようになったのは、裁量権がないことと、キャリアアップが見込めないことが理由でした。年数を重ねるにつれ、「この作業は無駄だな」「もっとこうすれば良くなるのに」という考えが出てきたのですが、既存ルールを変えるには、何をするにも係長の許可を得る必要があったため、やりにくいなと感じていました。もちろん、それまで培われた素晴らしいノウハウもあったのですが、わたしの場合は「もっと自分でどうにかしたい」と考え、チャレンジできる環境に飛び込みたいと思いました。

一度目の転職では、システムの受託開発会社に就職し、営業を担当しました。わたしがその会社ではじめての営業職で、裁量権を持たせてもらえておもしろかったのですが、やはりtoCの業界のほうがあっていたんですね。IT業界なのでお給料も良かったのですが、自分のやりがいや楽しさ、お客様や仲間のスタッフが喜んでくれるという見返りのほうが、わたしにとっては重要なことだったようです。

そして、二度目の転職で女将塾にたどりつきます。新卒で就職した会社の経験から、日本の旅館をより良くしていきたいとの思いは継続して持っていたため調べていたところ、女将塾のホームページを見つけ、応募しました。温泉旅館の再生という事業内容に惹かれたこと、そして面接で出会った人たちと一緒に働きたいと思い、転職しました。

──女将塾に入社してからのことをお聞かせください。

マーケティング職で採用されたのですが、まずは、伊豆高原ホテル 森の泉のサービススタッフとして配属になり、8ヶ月くらい現地にいました。女将塾が森の泉を手掛けるようになって間もない頃で、伸びしろのある施設で手伝ってほしいと言われ、現場に行きたい気持ちも強かったため喜んで行きました。

女将塾の面接では、旅館のコンサルティングを担当したいと伝えていました。コンサルティングをやるために自分に足りないものを考えたところ、売上アップや経費のコントロールなどの分野が弱いと気づいたため、勉強したい気持ちもあって、マーケティング職での就職となりました。ゆくゆくはデスクワークよりも、現場で働きたいと思っています。

──マーケティング職を1年ほど経験した後、今の玉井別館の支配人になりたいと、自分から手を挙げたそうですね。

もともと、玉井別館のマーケティングを担当していました。女将塾が手掛けるようになり、ハードはアップデートされたけれど、ソフトはこれからという状態だったため、まさにわたしがやりたかったことだと手を挙げました。マーケティング部門の上司と、今後の玉井別館をどうしていくか話し合っていた際に、支配人の話になり、「わたしもひとつの検討材料に加えてください」と言ったら、驚かれ、ニヤニヤされました(笑)。

マーケティングをやらせてもらった期間を自分なりに振り返ると、課題の残る1年でした。その施設を広めていくには、”施設の魅力×ウェブマーケティング”が重要で、あくまで施設が主、ウェブマーケティングはサポートだと考えています。まずは施設の魅力ありきで、マーケティング担当の経験から、種となる施設の魅力を自分自身で高めたいと強く思うようになりました。

──2024年1月に支配人就任ということで、今日の取材はおおよそ2ヶ月経過したくらいですね。まだ短期間ですが、今の率直なお気持ちは?

本部のいちマーケティング担当が支配人として現地に赴くなんて、正直なところ不安もあったのですが、想像以上にポジティブに受け入れてもらえました。

わたしが「こうしてみよう」とアイデアを出すと乗ってきてくれたり、フロントなどに花を置いてみたら、スタッフが自宅から花を持ってきてくれるようになったり。自分で考えて取り組んでみたことに対するお客様への反応はもちろん、スタッフが変化していく過程を見るのも喜びのひとつです。

スタッフは、お客様により良いおもてなしをしたいという素晴らしい気持ちを持ち、なにか変えたい、やってみたいと考えています。それを聞き、どうしたら実現できるかを考えるのが支配人の仕事なのかなと考えています。旗振りはするけれど、歩む道順は自由だよということを伝えていきたいです。

玉造温泉 玉井別館の支配人のプライベート


──赴任してまだ2ヶ月ですが、プライベートはどんなふうにお過ごしですか?

以前の記事で、代表CHROもランニングの話をしていましたが、わたしも走りたいと思っています。赴任2ヶ月で、バタバタしていてまだ一度しか走れていないのですが。近くの宍道湖の周辺を走ったり、『名探偵コナン』が好きなので、6月に開催される北栄町すいか・ながいも健康マラソンにも参加する予定です。

音楽の、とくにロックとHIPHOPが好きで、東京にいた頃はライブによく行っていました。プレイリストを作って、Instagramに上げたりもしていましたね。今年も、何かしらの夏フェスには行きたいなと思っています。伊豆の施設にいたときには、音楽がかかっているバーによく行っていました。お酒を飲んで、たまたま隣合わせた人と「この音楽はああだ、こうだ」「そうなんですね」みたいな会話をするのが楽しかったです。

どこぞのアミューズメントパークにて

──お花を飾ったり、ウェルカムドリンクに抹茶オレを出したり、鬼頭さんの女子力の高さを感じるのですが。

あまり言われたことがないので、自分では意識していなかったです。玉井別館のある玉造温泉街が美肌の湯で知られていることもあり、街全体の雰囲気が影響しているのかもしれません。斜に構えて「ああ、それってそんな感じね」と言いたい、中二男子のような一面もあります。

でも、支配人の仕事をしていると、斜に構えてはいられない。わからないことがあればすぐに「教えてください!」と誰かに聞いて、「頼まれごとは試されごと」だと思って、目の前のことをひたすら一生懸命やっています。自分のキャリアアップだとか、10年先どうするとか考える余裕がないのが現状です。


鬼頭支配人の女子力を示すお花の例
玉造温泉はいろいろかわいいです
出雲ぜんざいを一緒に食べてくれる鬼頭支配人の女子力

玉造温泉 玉井別館の支配人からのメッセージ

──女将塾で働くおもしろみはどこにありますか?

チャレンジできることだと思います。他は2社しか経験していませんが、女将塾はチャレンジできる環境に恵まれている会社だと思います。挑戦することに対して周りからサポートが得られるし、挑戦した結果に対してちゃんとフィードバックがもらえます。自分で考える力や、臨機応変に対応する能力が身につきます。

旅館の再生に取り組んでいる会社ですが、実は、“再生とは何か”の定義は人によって違うのではと思います。わたしは、お客様の満足度がすべてだと考えていて、極端なことを言えば、たとえばクチコミなら、現場で満足いただけるサービスを提供し、その結果お客様が自発的に良い評価を投稿してくだされば良いという考えです。一方で女将塾では、ウェブマーケティングのテクニック的な面も取り入れて、売上も含め、多角的な面からの”再生”に取り組んでいるのかなと受け止めています。

──これから一緒に働くことになるかもしれないメンバーにメッセージをお願いします。

「挑戦したい人はどうぞお越しください」ですかね。年齢や立場を問わず意見やアイデアが出しやすく、発言を否定する人はいません。また、挑戦してみた結果、失敗したとしても、それを咎める人もいません。

自分で考え、取り組み、お客様に楽しんでいただける旅館を目指している人が来てくださるなら、その人も楽しめるし、女将塾が運営・ご支援する旅館ももっと楽しくなると思うので、お待ちしています。


女将塾で働くということ


温泉旅館再生ベンチャーで働くことに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ女将塾の採用サイトをご覧ください。