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"心拍の壁" からの "つわり" の終わりがチラ見えする9週目

1日中吐き気に襲われ、何もやる気が出ない屍のような 5・6週。
心拍の壁は越えられるのだろうか。
屍が1日中部屋の天井を見ながらお腹をさする日々。

前回の話はこちら。




常に吐く5秒前 (7週まで)

どんどん症状が増えて重くなっていく。

食べても気持ち悪い
お腹が空いても気持ち悪い
特定の臭いも気持ち悪い
暑いと気持ち悪い
食べないといけないのに少しも口に入れたくない
胃が胃液で膨れ上がりいつでも吐く寸前
めちゃくちゃ眠い
偏頭痛が頻発する
どの姿勢でも辛いほど気持ち悪い
夕方18時頃に悪化し、寝るまで気持ち悪いピーク
YouTubeのつわり関連も想像してしまうから見聞きしたくない
SNSの食べ物の画像を見て気持ち悪い
食べられるものは?と聞かれるのが苦痛(私が知りたい)
食べられるものが限られるため飽きる
歯磨きでえずく
最愛の夫の口臭もダメ

という地獄に心拍確認日(7週)数日前までどっぷり浸かっていた。
先の見えない苦しい地獄にもう結構限界。
でも世の中にはもっとつわりが重い人がいる、吐いてないから私はまだ軽症なのだと自分を思い込ませるしか出来なかった。
「私を楽にしてくれ」という意味深な叫びを度々あげては、最愛の夫を困らせた。

突然現れ始めた静寂の数時間

「おや?なんだか昨日ほど辛くないような気がする....」といったにわかに信じられないような数時間が出来るようになった。感覚が麻痺し始めたのか?
だがそれはそれで心配である。

こんなに無くなってほしいつわりが一瞬でも感じられないと、お腹の子の無事が気になる。

もしかしたら....という思考が何度も頭をよぎる。

クリニックに行くのが怖い。

まだ人の形ではない"何か"とピコピコ動く心臓

「良かったです、順調ですね」

先生の優しげな口調とその言葉で、初めてモニターをちゃんと直視する事ができた。

(本当に私の中に生命が宿っているんだ)

そう思ったら、つわりなんて乗り越えてみせる!と内診台で股を全開に開きながら決意を新たにした。

そして不思議なことに、クリニックに居たその数時間はつわりがあまり来なかったのは
この子が気を遣ったのだと、勝手に今でもそう思い込んでいる。

1日単位で静寂が訪れる (8週から)

8週を迎える頃には波が出てきた。

1日のうち、訪れる静寂が数時間だったのに対し
8週になると2日おきに1日静寂というボーナスデイが現れた。

もしかしてこのままつわりが終わる....?!

なんて脳天気に考える事ができず
戻ってくるかもしれない吐き気にガクガク震えながら
空腹にならないように食べ物をせっせと口に運んだ。

初めての出血

着床から今まで、茶おりすらなく出血という出血がなかった私。
9週の終わりごろに出血した。
便秘だったので今日は出そうとトイレに篭ったが出血した。

鮮血かつ血の塊

血の気が引いた

排便時の切れ痔かと思いたかったが、血の塊はおかしい。生理の時みたいなやつじゃん。
転院先の病院に電話をかけ、初診日を早めてもらった。

「9週だと安静にしてもらうしか方法がない」

助産師さんからそう言われたが、私ももちろんそう思っていた。
ただただ、心配だった。
診察日まで全てがスローモーションだった。

診察日はつわりが1日ほぼゼロ (9週)

内診中、出血は特に気にしなくていいだろうという言葉をいただきホッと一安心。
そのままエコー検査をしてもらい、人の形に近付いた我が子がそこにいた。

ふにふに動き心臓がピコピコ動いている。

エコーを初めて見た夫は感動していた。
凄いねと私の手を取って、その子を愛でるかのように私の手を愛でていた。

9週の壁と言われていた期間に出血し
最悪の結果も予想していた。
でもこの子は無事に生きていて、また3人で生きていく未来が続いている事が嬉しかった。

そう思ったら
久しぶりにお腹が空いてお腹が鳴ったのだ。
驚きだ。
さらに、量は食べられないがちゃんと食べられる。美味しいと思える。
そしてなにより、食べなくても気持ち悪くならない。

あれ?今日つわりほとんどないや。
いや、匂いはまだ変だし味覚もまだまだだけど....

もしかして本当にピークは過ぎて
つわりの終わりが来ようとしているのかもしれない。
そう思える久しぶりに清々しい1日だった。

安定期までまた耐える日々が始まる。

つづく

次回の話はこちら。


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