【読書記録】透明な夜の香り/千早茜
こんにちは。1カ月ほど更新があいてしまいました。
劇的な環境変化があった5月。心も体もすり減ってしまい、何もかも投げ出したくなる日々でしたが、そんなときこそ読書に逃げて、なんとか振り回されることなく、自分を保つことができたかな。
忙しい日々でも、読書量を増やせたことはうれしい^^
6月に入り、少し自分のペースが戻りつつあるので、また気持ちを切り替えるつもりでnoteの執筆も続けていくつもりです!
本日は、そんな怒涛の日々に読んでいたこちらの一冊をご紹介します♪
切なくて儚い「香り」が楽しめる小説
作品のことを調べる中で、このような書評をいくつも目にしていて「そんなばかな」と疑い半分で読み始めたところ・・・本当に不思議なんですが、お話が進むにつれて、香ってくるんですよね。
活字を追う目と同様、嗅覚も研ぎ澄ませ、この作品最大の特徴である「香りの描写」を存分に楽しんでほしいと思います!
小川朔の魅力
主人公の一香が訪れた洋館で出会った調香師の小川朔。
客の求める香りを再現するという、一風変わった仕事をしています。
彼の登場時、あまりのミステリアスさには緊張感が走りました。
「一度嗅いだ匂いは決して忘れることはない」という自らの変わった特性ゆえに、幼い頃から辛い経験を重ねてきた朔は、基本的に人と関わることを拒絶しています。
ふさぎこんでいる朔が、一香と出会うことで次第に彼女に心を開いていく様子、不器用ながらも彼なりに、周囲の人間と関わっていく姿が、だんだんと愛おしく感じられてきます。
特にやっぱり気になるのは一香との距離感。
これまで指一本触れることがなかった朔が、初めて一香の髪に触る場面。「香りの描写」が鼻孔をくすぐり、胸がドキドキしちゃいました~///
どことなく闇を背負った雰囲気があるのに、どうしても憎めない、むしろ彼の魅力に惹かれた読者の方が続出したのではないでしょうか。
普通って何だろう
この作品はずっと、読んでいて心地がよいのですが、朔を見ていると、当たり前とされる固定概念について考えさせられることがあります。
どうして私は、朔や一香が指摘するようなこと(薔薇の色やレモンの色)について何の疑問も持たず受け止めていたのか。
薔薇やレモンに、いろいろな色があるように、人の美しさにも、それぞれの形があること、そういうことを、私はちゃんと受け止めきれていたのだろうか。そんなことを、いい香りのする文章に乗せて、心地よく考えさせてくれる作品だったなと思います。
朔と一香のその後は・・・?
朔と一香の距離は確実に縮まっているのですが、その後2人はどうなったんだろう?とずっと気になっています。
こちら、続編も出ているとのことでチェック中・・・!
本当はすぐに読みたいところなのですが、文庫化を待ってしまっている自分がいます・・・
でも書いていたら、また気になってきて、やっぱり待てないかも!笑
いろいろな要素が詰まっていて、とても魅力的な作品でした。
こちらの作品、気になった方はぜひ手に取ってみてくださいね。
読んだことのある方は、ぜひ感想を教えてください^^
そして著者である千早茜さんの他の作品も気になっています!
おすすめの作品がありましたらぜひ教えてください♪
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