【読書記録】父の声/小杉健治
こんにちは!ちょっと更新が空いてしまいました・・・
今回はこちらの作品を紹介したいと思います。
実生活でもこの頃、個人的にも父親の偉大さを感じる出来事があり、内容が気になって手に取ってみました。自分自身の父親に対する思いとも重なることが多く、読後には胸が締め付けられる思いでした・・・
また、重厚感ある内容にもかかわらず、非常に読みやすい本作です。
これだけの重たい内容を扱ったミステリー作品が、間延びすることなくきれいに完結し、またメッセージ性も強くまとまっていて驚きました!
「どうして覚醒剤がいけないのか」核心を突いた作品
「覚醒剤」が一つの大きなテーマとなっている本作。
順治の娘・のぞみは、順治と亡くなった母親から大切に育てられてきた、ごく普通の女の子でした。
ところが地元を離れて一人で暮らし始めた東京で、好きになった男に勧められたことがきっかけで、軽い気持ちで覚醒剤に手を染めてしまったのぞみ。
そんなのぞみを救うため、順治はある行動に走ってしまいます。
薬に蝕まれていくのぞみの体と心、そして変化していく順治の人生。
覚醒剤は自分1人で完結できるものではなく、必ず自分の周りにいる大切な人たちのことを巻き込んでしまうこと、そんな恐ろしいものが今、当たり前のように流通している現実を突きつけられました。
娘にとっての”父”という存在
冒頭触れたとおり、順治の父親像は、私の父親の姿とも重なる部分が多くありました。
子どもの頃から口うるさく干渉されることはなく、静かに私のことを見守ってくれていたと思います。それでいて、ピンチのとき、ここぞというときに存在感を発揮してくれる父親でした。
娘に干渉し過ぎてはいけないという気持ちと、それでも娘が心配で心配で仕方がない順治。もしかしたら私の父も順治のように、何か言いたいこともあっても、ぐっと我慢してくれていたこともあったのかな、、、
また物語のもう一人の主人公・麻薬取締官の篠田にも娘がいますが、彼の娘のように、娘もまた、しっかりと父親の背中を見ていること、こちらも深く共感しました。
私も子どもの頃から、「覚醒剤は自分だけでない、周りの人間の人生を変える」と、父親に教えられて育ってきました。
他にもたくさんのことを、父親から教わりました。
今も、父の背中を見てたくさんのことを教わっています。
そのことをもう一度、気付かせてもらえた作品でした。
ミステリー作品としても、スリリングな展開から目が離せず大いに楽しみました!
また父と娘の難しい関係、覚醒剤の恐怖も、共感を呼ぶほどリアルに描かれていると思います。
短期間でさくっと読めてしまうと思いますので、気になった方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか^^
読んだことのある方はぜひ、コメントで感想を教えてくださいね!
こちらで紹介したい読了本も、まとめ買いしてしまった積読本もたまっていて、今はいつも以上に本のことで頭がいっぱいですw
一冊でも多くの本を紹介できるよう頑張るので、引き続き遊びに来てもらえたらうれしいです♪
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