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ヴィッセル神戸マッチレビュー│J1第2節vs柏

柏レイソル戦は0-1での敗戦。ホーム開幕戦は黒星スタートとなりました。



【レビュー】

ネルシーニョ時代から柏の戦い方には、相手の良さを消す狡猾さがあります。井原さんも基本とする戦い方は同じで、この日も神戸の強みをしっかり潰す策を練ってきました。

まず神戸の攻撃の起点となる最終ラインを自由にさせないこと。小屋松や山田が中心となり、初瀬や山川をマーク。楽に蹴らせない意識を徹底すると同時に、前線が良いポジションを取る猶予を与えませんでした。加えて442の2ラインを圧縮し、密集状態を形成。大迫に個で勝てないことを見越して、プレーエリアを狭め影響力を削る狙いです。

汰木が負傷交代したため、左右に揺さぶり密集状態を緩める(横に広げる)手が使えなかったのも神戸にとっては痛手でした。

さて、柏の神戸対策がハマっていたのは事実です。一方で、完全に手詰まりだったとは思えません。後半からは前線からのハイプレスと、チーム全体が高いポジションで相手を押し込む神戸らしさを披露。互いに疲労から自由なスペースが増えたとはいえ、押し込む展開は多かった印象です。

神戸には自分達の意識で試合の流れを掴むだけの力があります。これはメンタルではなく、マインドの部分。少し話しが脱線しますが、落合博満氏は著書で、「心技体」ではなく「体技心」の順番がアスリートにとって正しいのではないかと述べています。まずトップアスリートの強度に耐えられる体があり、そこに技術がついてくる。そうしてはじめて、心が安定する。

今の神戸にはすでに「体技」は揃っています。ならばあとは「心」。これはメンタルというより、マインドと書くのが個人的にはしっくりきます。

話しがややこしくなりましたが、今の神戸はこのマインドを追求する時期なのではないかと。酒井が試合後に言及したように、自分達に打ち克つ。さぼらずにやり続ける。少なくとも、今のヴィッセルに体技を疎かにする雰囲気はないと感じています。ならば次のフェーズである心に向き合う。昨季の成功体験を慢心ではなく確信と受け止める。そんなマインドが出来上がれば、結果は後からついてくるのでは。

なんだが禅問答のようなレビューになりましたが、チームが上のステップに登るにはこうした自問自答を繰り返すしかないのかも...そんなことを、開幕してからぼんやりと考えています。

【公式ハイライト動画】

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