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読書録:確率思考の戦略論

データ分析をビジネスで活かそうにもどのような考え方が世の中にあるのか分からないなと思っていたところ、マーケティング戦略を数学的なアプローチで考えることについて解説している本書の存在を知ったので読んでみた。

要点は、ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっている。なぜなら、商品を購入する際、消費者はその商品カテゴリーの「エボークト・セット*」の中からプレファレンス(好み≒選ぶ確率)に沿ってランダムにブランドを選んでいるから。では、どうやってプレファレンスを高めるか?これも最も成功する「確率」の高い戦略を合理的に立てて、熱く取り組み達成する他無い。
*エボークト・セット:何かを買おうとした時に思い起こされるブランドや商品の集合体

現業に直接活かせることでは無かったが、顧客に選ばれる確率は数式(NBDモデル)で表現できることは驚きだった。筆者は論文などの情報からもツールをアップデートしており、分野によっては大学で研究もされているので、広く情報を取る姿勢が重要だと学んだ。
知っているか知らないかで大きな差がついてしまうので、勉強は止めたらダメだと改めて感じた。

以下は個人的なメモ
・商品もブランドも選ばれる確率は消費者のプレファレンスに従い負の二項分布(NBDモデル)になる。
→購買行動を数式でモデル化できるのか!?と素直に驚き。マーケティング業務をしている人にとっては常識なのだろうか?
戦略、つまり経営資源の配分先は、結局のところPreference(好意度)、Awareness(認知)、Distribution(配荷) 
→プレファレンスが売上の最大ポテンシャルを決め、認知と配荷が最大ポテンシャルの発揮できる割合を決める。しかしながら、認知と配荷にプレファレンスが影響するため、プレファレンスに最も焦点を当てるべき。
・明確に正しい目標を狙っていたとしても、結果は的の中心からの様々な誤差を生み出す
→数学的に説明されると説得力が物凄い。
・合理的に準備して、精神的に戦う。
→大きな目標は立てるが、その状態を定量的に表現できずに達成できなかった経験は何回かしている。ジャンルによっては数式化できるものもあるため、知っているか知らないかで大きな差が生まれてしまう。

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