近畿大学 司書 【情報資源組織論】 試験問題と解答例 2024年4月入学


【問題】

分担目録作業の個別のサービス名をあげて概略を述べなさい。
【注意事項】
・教科書等の内容をそのまま抜き出すのではなく, 自分の言葉で記述してください。
・解答は箇条書き(見出しは可)ではなく,つながりのある文章で記述してください。

【解答例】(可65点)

 はじめに分担目録作業と集中目録作業の違いを簡単に述べ、分担目録作業の個別のサービス名を述べる。
 
1.分担目録作業と集中目録作業について
 目録作業には分担目録作業と集中目録作業がある。1つないし少数の限定された図書館で集中して目録作業を行うのが集中目録作業である。そこで作成された成果物を機械可読目録(MARC)といい、日本では国立国会図書館によるJAPAN/MARCがある。
 一方で、分担目録作業とは、それぞれの図書館が共同で目録作業を行うものである。その作業で蓄積された目録を総合目録データベースという。ある図書館が新たに図書を受け入れた際、データベース上に登録されていない場合にだけ、新たに作成する。
 
2.分担目録作業の個別のサービスについて
 総合目録データベースを管理運用する機関である書誌ユーティリティによって、書誌コントロールの中心が書誌作成機関による集中目録作業から分担目録作業に移行してきている。
 サービスの代表として挙げられるのは、1967年に米国のオハイオ州によって、州内の54の図書館により結成されたOCLC(Ohio College Library Center) (現在はOnline Computer Library Center) が運営する「World Cat」である。参加館は全世界へと拡大しており、「World Cat」は世界最大規模の総合目録データベースとなっている。
 日本では、「NACSIS-CAT」や国立国会図書館総合目録ネットワークがある。
 「NACSIS-CAT」は国立情報学研究所(NII)によって運営されており、日本最大の総合目録データベースである。参加機関は2019年3月末時点で1,341機関 (大学図書館の約96%) が参加している。新しい資料だけでなく、遡及入力事業も行っており、収録範囲は和書洋書、刊行時期、資料種別の区別を問わずに網羅的である。インターネットを通じて 「CiNii Books」にも一般公開されている。
 国立国会図書館総合目録ネットワークは国立国会図書館が1998年から運用している。 公共図書館の和図書の総合目録データベースで、参加館は都道府県立図書館、市区町村立図書館と国立国会図書館で、2018年3 月末時点で1,148館、このうち所蔵書誌データを提供しているデータ提供館は67館である。データベー スは国立国会図書館が作成する全国書誌 (JAPAN/MARC)を基盤とし、参加館から提供された書誌デー タを統合して構築する。「国立国会図書館サーチ」で一般公開されている。
 相互目録データベースがあることで、そのネットワークを活用することでILLシステム (InterLibrary Loan:図書館間相互貸借) と呼ばれるシステムによって相互貸借や相互複写が可能となり、利用者へ資料提供が可能となる。具体的には、国境を越えてサービスを展開できる「WorldShare ILL」や「NACSIS-CAT」を活用した「NACSIS-ILL」が挙げられる。
 
3. まとめ
 分担目録作業では、目録作成中に重複作業を削減でき、効率化できるというメリットがある一方、分担目録作業に参加する図書館によって目録作業の質や作成度合いが均一でない点がデメリットである。資料がますます膨大に増加し、デジタルを含めた資料の多様性から、現代においては、目録作成上のルールを画一化することが重要である。また、信頼のおける書誌ユーティリティ等によって管理され、標準化が進んで国内外の書誌情報の交 換などが行われることによって、発展していくことが期待できる。
 

【感想】

情報資源組織論はやはり、とっつきにくい科目だなという感想です。結果も唯一の可、65点で一番低かったです。
一発合格できただけでも良かったなと思いました。

試験は7月14日に受けたのですが、この日は4科目受験、そして7月にはメディア授業の科目勉強もあったので、頭がいっぱいいっぱいでした。

メディア授業がある月は、試験を4科目フルで受けるのは体力的・精神的に大変だったので、受験する科目数は考えたることをおすすめします!!


※注意
解答の丸写しはしないようにお願いいたします。
皆さんの参考になれば幸いです。

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