近畿大学 司書 【図書館情報技術論】 試験問題と解答例 2024年4月入学


【問題】

図書管理システムには、さまざまなパッケージソフトがあります。
貴方は今、日本の小学校の図書館司書だと仮定します。図書管理システムを新規導入するにあたり、自館用にカスタマイズするとしたら、どういう機能について、どのようにカスタマイズしますか?
利用者は小学生だということを意識しカスタマイズする機能についてできるだけ具体的に取り上げ、どのようなことを達成したいのか記述してください。 (1000文字程度)

【解答例】(優80点)

 私自身が小学校の図書館司書として実現したいことは、①読書の機会が少ない児童に読書の機会を提供する事、②読書の機会が多い児童にジャンルが偏らないようにする事、③資料検索の機会提供と方法の教育、④選書・ 相互貸借など資料の充実の4つである。
 この4つを実現させるため、図書管理システムにおいて、1.小学生に使いやすいマイページ導入、2.小学生に調べやすいOPACの導入、3.貸出された本を統計的にデータがとれるシステムの3つをカスタマイズしたい。

1.小学生にも使いやすいマイページの導入
 ここでは利用者である小学生目線で考える。また、小学校の図書館をたくさん使ってもらうため、マイページ内に生成AIのチャットボットも導入する。
 生成AIへの相談と、何に興味があるかをクイズ形式で選んでいく画面を導入の結果、何を読んでよいかわからない児童にも、興味を持ちそうなおすすめの本を提示することで、本を読む機会を増やしていきたい。また、本を読む機会が多い児童には、読む本のジャンルに偏りが生じないように、貸出履歴の本から異なるジャンルでありながら、関連性のあるものを生成AIによって選書し提案できるようにする。
 マイページ上にブック棚を用意したり、貸出冊数や異なるジャンルを読むことで達成できるスタンプラリーなどゲーム要素を取り入れて読書へのモチベーションを高める機能も導入する。
 
2.調べやすいOPACの導入
 資料の種類は様々であることを紹介するため、ある主題を入力すると、ビジュアル的にどのような資料の種類があるかわかりやすく提示したり、先述した生成AIのチャットボットによるレファレンスサービスを提供したい。小学生から資料検索を学んでもらうことを目的としている。
 
3.貸出された本の統計データが取れるシステム
 利用者側と学校側の双方のためのシステムとするため、人気の本や調べ学習でどのような資料が使われるかを統計データとして入手し、利用者にはおすすめ人気の本として紹介し、学校側には選書や相互貸借の参考として、限りある予算を資料充実化に最大限に利用できることを狙いとしている。
 
まとめ
 現代の児童はデジタルネイティブであり、コンピュータに触れる機会が多い面と本に触れる機会が少ない面があることから、コンピュータによるマイページの充実化に重点を置いた。また、情報化社会で情報の取捨選択のための資料検索や生成AIなど最新技術に触れる機会を設けることで、充実した教育を実現したい。

(1,034字)

【感想】

予想外の試験問題でとても焦りました。インターネットで図書館システム導入事例を調べたり、自分で考えた言葉を書きました。

この試験では、変化球な問題だったので、まったくテキストを使わなかったです(笑)

試験は2024年7月14日に受けました。不合格になることもある試験と聞いていたのですが、優 80点で一発合格したので満足です。

参考にした図書館システム導入事例(株式会社ソフテック HPより)


※注意
解答の丸写しはしないようにお願いいたします。
皆さんの参考になれば幸いです。


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