別サイトで書いたお気に入りショートショート3選①

今回は私が別サイトで書いたショートショートを3つ紹介する。
どれもなんか書けたっぽくねと私の中のギャルが言うので多分面白い。私は自分よりギャルを信じる。では一気にどうぞ。


1.変食家
私には虫を主食とする友人がいる。もちろん人間のだ。よく彼とは外食に行くのだが、いつも鞄からタッパーを取り出し、中で蠢く虫を丁寧に箸でつまみ注文したご飯にのせ食べている。私はもう慣れたが店員さんは彼のタッパーをみるたびぎょっとした表情を見せる。それがなんだか面白くて、私の楽しみの一つになっていた。彼に一度なぜ虫を食べるのが好きか聞いたことがある。その時には「君は日本人がお米を好きなのに理由を求めるのかい?」と言っていた。それっぽいことを言っていたがそれとこれとは別だと思う。私はその言葉を飲み込み、
「そっか」
とだけ言った。
まぁ、彼にも色々事情があるのだろう。そんなことは別に知らなくっていい。私にもあるから。
そっと、自分の鞄の中に入っているタッパーに手を添える。中ではカエルがひしめき合っていた。
君は虫を食べる。カエルも虫を食べる。
私がカエルを食べるなら、君を食べても変ではないだろう?


2.バカにでもわかる
「はぁ...。」
またダメだった。今度こそ改心の出来であったのに。私は肩を落とす。なんでも担当がいうのには私の作品はどれも難しすぎるのだそうだ。たしかに私の作品は難しいのかもしれない。しかし理解できる人間にはとても深く、何度も読み直してしまうような傑作であるはずなのだ。ただ、私が売れない作家であることには変わりない。作品を出さねば生活が出来ない。だから、
「バカに向けて書くか」
私は意を決した。まず私は、バカには平仮名しか読めないであろうと字を全て平仮名にした。また難しい言葉回しを辞め、三才児でもわかる言葉のみを使用した。それでもバカには読めない可能性がある。念のために字よりも挿し絵が多くなるようにし、自動で読んでくれる音声昨日もつけた。バカはすぐ飽きるだろうと思い字に色もつけた。全て作業を終えた私は担当に作品を送りつけた。

「いやぁ、異例の大ヒットですよ!」
世の中はバカばっかりらしい。


3.蜷局を刺す
絶命した蛇がいた。
その蛇は地面に突き刺さる刃物に自身の体を巻き付け、柄を飲み込んでいた。その体には刃物で切ったのか切り傷がいくつか見られた。
「僕もこうなりたいなぁ」
まだ年端も行かぬ少年は呟いた。少年の体には蛇のような切り傷はなかったが、何ヵ所か青紫に変色していた。
少年の目は蛇の死骸から離れなかった。その目線には憧れが込められていた。

少年は今日も家庭で父親に暴力を振るわれていた。殴られた箇所が熱を帯びる。父親は少年を見て薄ら笑いを浮かべていた。少年は台所へ向かって逃げ出した。そして出しっぱなしの包丁を手に取る。いつもと違う少年の行動に父親は目を丸くしていた。この生活から逃れるには抗うしかないんだ。少年は思い出す。蜷局を刃物で刺され、逃げられなくなった蛇を。踠くように必死に抵抗した蛇を。
今は僕が蜷局を刺されている。だから僕は蛇になる

翌日、少年と父親の亡骸が家から見つかった。


どうだったであろうか。私はこんな作品を書くし、私の中のギャルはこんな作品を好む。
ギャルと和解した位に解説も軽く書こうと思う。とりあえずここまで見ていただいた方とギャルへ本当にありがとう。感想かギャルピースお願いします。

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