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情報メディア文化へのまなざしを捉え直す、10月後半のイベントをまとめました!

こんにちは!ゲンロンのアルバイトスタッフの青山俊之です。秋雨が滴る昨今で、少し気分が落ちている方もいるかもしれません。そんな方に朗報です。先日、10月16日に行われた「戦後日本とマンガ的想像力──万博、五輪、テロ」(浦沢直樹×さやわか×東浩紀)を見れば元気になります。下記動画は冒頭の30分をYouTube上で無料配信したもの。

私見ですが、まさにまごうことなき神イベントでした。普段、僕は「神」という形容を使ってこなかったのですが、このイベントばかりは使わざるをえない、そう思わされるほどです。

浦沢直樹さんという作家の偉大さ、その作家人生、創作の姿勢、日本マンガ史の継承、時代との呼応といった生き様が鮮明に描かれていきます。少しでも気になれば観てほしい。下記は7時間におよぶ本編動画へのリンクです。本当にぜひ!

これまでのゲンロンカフェで積み重ねたさまざまなイベントあって、今回のイベントにもつながったように思います。今後もゲンロンカフェにもぜひ会場参加や動画配信をお楽しみいただき、弊社を応援していただけるとありがたいです。10月後半のゲンロンカフェには、メディアに関連したイベントがずらりとそろいました。そんな個々のイベントの概要や魅力をご紹介しましょう!

10月後半のゲンロンカフェ

※ 10月21日 (金)開催予定の「これでいいのか日本の選挙!?──Z世代と考える主権者教育と投票行動」は諸事情により12月6日に延期されました中止とさせていただくことになりました。楽しみにしていただいていたみなさま、まことに申し訳ありません。

10月25日 (火) 19:00〜22:00
吉見俊哉 × 大山顕 司会 = 速水健朗 (配信のみ)
まなざしと戦争──空爆、ドローン、SNS

「視ること」は「殺すこと」である──

「メディア技術としての戦争」を問いかけるのが、東京大学大学院情報学環教授で社会学者の吉見俊哉さんの新著『空爆論──メディアと戦争』(岩波書店)です。「空爆そのものがメディア行為である」とする吉見さんは、近代のおおきな戦争における空爆から現代の技術革新がめざましいドローンによる爆撃まで、まなざしの権力と暴力をメディア論として多角的に検証しています。

この度ゲンロンカフェでは、吉見さんと写真家の大山顕さんによる対談イベントを開催。大山さんは、スマホ時代の写真論として各方面に話題を呼んだ『新写真論』のなかで「ドローン兵器とSNS」について取り上げ、現代における「まなざしの暴力」について考察しました。今秋刊行の批評誌『ゲンロン13』に掲載予定の大山さんの論考「斜めのミラー」では、ウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン演説から「視線」の問題について議論を広げています。

戦争を視覚のメディアからどう考えられるのか? 「視る」そして「殺す」技術はどう変わっていったのか? まなざしや視覚のメディアを考察する現代的な意義とは?

メディア論や都市論に詳しいライターの速水健朗さんの司会のもと、議論を広げていただきます。どうぞお見逃しなく!

10月26日 (水) 19:00〜22:00
北村匡平 × 西村紗知 × 伏見瞬 (配信のみ)
椎名林檎/東京事変とJ-POPの時代──乱調、母性、分裂

東京工業大学准教授で映画研究者・批評家の北村匡平さん、批評家の西村紗知さん、伏見瞬さんによるトークイベントを開催します。

北村さんは今年10月に新著『椎名林檎論──乱調の音楽』(文藝春秋)を上梓しました。90年代後半にデビューし、バンド「東京事変」の活動も並行しながら、国民的アーティストになった「椎名林檎」について、多角的に分析した音楽評論集です。単なる印象批評ではなく専門性に偏った音階分析でもない「実践的な演奏批評」として、「文學界」連載時から大きな話題を呼んでいます。

西村さんは昨年、評論「椎名林檎における母性の問題」で第4回すばるクリティーク賞を受賞。また伏見さんは昨年末に初の単著『スピッツ論』を刊行。「J-POP」を代表するバンド「スピッツ」を分析することでポップ・ミュージックのあり方に迫り、大谷能生さん、荘子itさんとともにゲンロンで行われた刊行記念イベントも好評を博しました。

椎名林檎/東京事変の音楽とその存在の魅力はどこにあるのか? 椎名林檎/東京事変、さらに90年代以降のJ-POPはどのような変遷をたどってきたのか? 音楽を分析し、批評するとはどういうことか? 濃密な議論にご期待ください!

10月27日 (木) 19:00〜22:00
安達真 × 桂大介 × 東浩紀
シラスはウェブのなにをやりなおすのか──エンジニアが語る開発の舞台裏2

本イベントは、「ゲンロン友の会第12期総会」のプログラムのひとつとして、「シラスはSNSを超える?——エンジニアが語る開発の舞台裏」(2022年6月4日)と題して開催されたトークショーの続編です。ゲンロン友の会の会員だけが参加できる総会イベントとして開催されましたが、先日、シラスオープン2周年を記念し、東浩紀による冒頭解説付きで再放送が行われました。

そしてこの日、その続編が開催されます!

登壇するのはシラスのCTOで共同代表の桂大介さん、そしてシラスの開発を担っている(株)グルコース代表の安達真さん。聞き手はシラス創業者の東浩紀が務めます。

シラスのコンセプトについては、東の抽象的なメッセージが強調されることが多いのですが、現実の実装は細かい議論や開発で支えられています。このイベントでは、前回に引き続き、シラスの開発がどのように進行しているのか、またいまどのような改良が議論されていて、そこにどのような狙いが込められているのかを明らかにします。

6月のイベントは、「エンジニアの勉強になりすぎる」「他業種だけど仕事の進め方として参考になる」との声を数多くいただきました。新しいプラットフォームビジネスに興味のある方から、公共性や言論空間の未来に興味のある方まで、幅広く関心をもっていただけることはまちがいなし。ぜひご覧ください。


『ゲンロン13』送料無料キャンペーン実施中!

間もなく刊行される『ゲンロン13』は、10月31日以降の発売を予定しております。ゲンロンショップにて『ゲンロン13』を予約していただきますと、国内送料無料でお届けいたします。

以下、『ゲンロン13』刊行に寄せられた編集長・東浩紀のメッセージです。

『ゲンロン13』、たいへん遅くなりましたがついに刊行です! 今回は冒頭が民主主義と権威主義をめぐる鼎談、特集でロシア問題、さらには三浦瑠麗さんをお招きしての天皇制や防衛についての対話もあるということで、期せずしてもっとも政治色の濃い号になってしまいました。これもご時世ということでしょうが、そんな時代に人文知になにができるのか、そちらもあらためて考えさせる目次を目指しました。友の会会員のみなさんには言わずもがなですが、政治は大切ですが、政治だけでも息がつまる。世界が政治に満ちているいまだからこそ、政治の外の大切さを積極的に訴えていきたいと思います。刊行を楽しみにお待ちください。

東浩紀

昨日特設サイトがオープン!これからさまざまな記事が試し読みとして公開されていきます。


また、ゲンロン友の会 第13期への入会に『ゲンロン13』付きの特別パックもご用意しております。下記のような多様なサービスとともに、『ゲンロン13』がいち早く手に入る今だけのスペシャルセットです。こちらもぜひご検討ください!

『ゲンロン13』紙書籍(東浩紀サイン入り)
『ゲンロン14』紙書籍・電子書籍
『別冊ゲンロン』紙書籍・電子書籍
「選べる単行本」 1冊
『ゲンロンβ78~82』電子書籍(隔月配信)
webゲンロン 会期中読み放題
紙の会報誌(会期中2回発行予定)
シラス優待
ゲンロンカフェワンドリンクサービス
ゲンロンスクール優待
ゲンロン総会参加権(参加には別途チケットの購入が必要)
ほか

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