相澤康則

Gの専門家。Gを見るだけではなく、Gを作る。Gを通して見える、生活や産業、文明や歴史や…

相澤康則

Gの専門家。Gを見るだけではなく、Gを作る。Gを通して見える、生活や産業、文明や歴史や自然、そして風土や風情を思いつくままにつぶやいてみます。

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最近の記事

「小さき思いやり」メディア論

メディアをずっと考えている。マックルハーンのメディアを出発点に、人に何かを運ぶ「乗り物」としてのメディアの意義を考えている。 マックルハーンによれば、メディアに乗せるコンテンツという見方よりも、メディアがコンテンツを形作るという抜き身の視点が大事だという。 これは目から鱗で、応用の効く概念提示ではあるけど、そこからもう一歩前に行かなければならない脅迫観念がある。 今のメディアに足りないもの。 今のメディアにあって欲しいもの。 前回の投稿のときに仮置きした言葉「目には

    • いいかげんなメディア

      メディアを仕事に使うとなるとイイカゲンでは困るけど、遊びであれば徹底的にイイカゲンであってもいい。 徹底的にイイカゲンなメディア。ここでのメディアとは、マスメディアのことではなく、あくまで「情報の媒体」という広義でのメディアのこと。 なので、フェイクニュースは、ここでいうイイカゲンなメディアではない。これは、中身の情報自体がイイカゲンなのであって、媒体は既存のSNS。まあ、それほど徹底的にイイカゲンではない。 情報は、中身も媒体もイイカゲンでは困るというのが世の声。

      • 空っぽのメディア

        メディアは、あくまで情報の一部分であり、コンテンツの乗り物であって、媒体であって、殻のようなもの。 そこに入れる中身の方が大事だと思っている人は多いけど、中身だけがあっても、それだけではどこにも動かない。メディアに乗って情報は動く。 じゃあ逆に考えて、メディアだけがあって、中身がないとどうなるのか。 メディアは乗り物だから、空っぽでも動ける。メディアは、地球全体に対流しているエネルギーの流れを、ほんの少しだけ自分に引き込んで、漂う。 空っぽのまま、漂い彷徨うメディア。

        • 「見えないもの」を見る力

          世界中の多くの人がまた、目に見えないものに敏感なっている。 放射能。ウイルス。株価。 目に見えないものを見えるようにするには、知識が必要。 「放射能ってこういうものだから、xxは大丈夫なはず」 「ウイルスはこうできているから、yyが効くはず」 こういう「はず」は、知識を通して目に見えないものをみているっていうこと。 InnovationやCreativityも、目に見えないものを見る力。でもこの場合は、目に見えない関係を見るときかも。 茶室と量子力学。電柱とシフ

        「小さき思いやり」メディア論

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          「生命」とは非常識的連続的偶然の産物

          「生命をデザインする」ことができる時代だと勘違いされることがありますが、それは間違いです。 言えるとすれば「生物システムを贋作する」です。 何が違うかって?! 生命というのは偶然で作られています。進化の過程で起きた「たまたま」が、信じられない連続的に起きて生命が生まれました。 多くの偶然の賜物である生命を模範に、それに似た膜か殻で覆われた自己組織化された化学反応のネットワークを作ったとしてもそれはやはり、自然界にある生命を真似て作った生命システムでしかないと思う。

          「生命」とは非常識的連続的偶然の産物

          メディアGを通してみる存在論 #04

          Gは、目には見えないほど小さい。 しかし見えないのは小さいからだけではなく、Gは自分を形作っているものだから、ともいえる。自己中心にあるG。 自分自身が、最も見えないものである。 Gは、自分の外にもある。我々の周りにある、我々が気になる存在のほぼ全てがGをもつ。 自分がGをもっていることを思い知らされるのは、これら他存在のGと、自分Gが直接な関わり合いを持ったとき。 その直接的な関わり合いを通して、自分の根源的な存在であるGを再認識することが多い。 このような瞬間

          メディアGを通してみる存在論 #04

          Gメディア論 #03

          Gは存在そのものである。Gの一断片だけでは、存在しているとはいえない。しかしGが多少欠けていても、存在は保たれる。その境目は何であろうか。 存在と非存在のあいだ。それを決めているのはGの有り様。 でも、不完全なGでも、存在はなんとか成り立つ。 存在のちょっと手前の非存在をうみだすGの不完全さと、非存在に転げ落ちるギリギリの状態の存在を生み出すGの不完全さの間には、どんな違いがあるのだろうか。 もしかしたら、Gというメディアには、完全とか不完全とかいう基準はないのかもし

          Gメディア論 #03

          Gメディア論 #02

          Gはシステムを作れます。Gは変化もします。              なので、Gがつくるシステムは変化をします。 Gは作るシステムは、キョウカイを持ちます。             このキョウカイの内側と外側はゆるやかにつながっています。      そのため、外側の影響を、Gがつくるシステムはゆるやかに受けます。 その影響が、G自身の変化も促していきます。 安定すぎるシステムをつくると、                   Gは大きくは変化しません。変化できません。

          Gメディア論 #02

          Gメディア論 #01

          Gは、情報であり、物質である。 Gは、コトであり、モノである。 Gは、方法であり、テーマである。

          Gメディア論 #01

          コロナウイルスゲノムがコードしている29個のタンパク質

          ゲノム情報とは、4種類のDNAユニット(A、T、G、C)からなる文字列。 CGTAGTCAGTGCTGATGCAT... といった感じ。 ヒトゲノムは、この文字が約30億個も並んだ情報をもっている。そこには約20,000種類のタンパク質がコードしている(といわれている。実は正確な数は分かっていない)。 今、人間文明を根底から揺り動かし、この文明を支えてきた経済活動を危機的状況に追い込み始めているコロナウイルスのゲノムはたかが、3万個のATGCしか並んでいない。 ゲノ

          コロナウイルスゲノムがコードしている29個のタンパク質