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コロナは機会に変わる?人がいない街でも興味を惹いたOOH。

コロナの影響は少しずつ小さくなり、新しい生活への移行が進んでいるものの、第二波への恐れなどもあり、「日常が戻ってきた。」とは言いづらい世の中になっているかと思います。

ロックダウン/外出自粛要請による、人の移動の減少は、不特定多数へのリーチを売りにしているOOH(屋外・交通広告)メディアの価値を世界中で大きく低下させました。

一方で、コロナ禍においても、広告主はOOH媒体の活用を全て取り止めたわけではなく、クリエイティブや手法の工夫によって、効果的に利用しているケースがありました。

そこで、本日のnoteでは実際に実施されたキャンペーン事例の中で、ロックダウン中だからこそ、或いは逆手に取った面白い表現だな。と感じたキャンペーンをいくつかピックアップしたいと思っています。

企業の意思表示として

OOH広告は、交通広告を中心に、短期的なキャンペーンの盛り上げに利用されるケースも多いですが、各都市の象徴的な場所を複数年単位で長期間実施するという手法も一般的です。

コカ・コーラは、世界の中心地である、アメリカ(ニューヨーク)のタイムズスクエアにあるデジタルサイネージの1つを長期期間保持しており、通常時はブランドや商品広告を放映しています。

ロックダウン期間中、コカ・コーラはこのサイネージのメッセージを切り替え、ステイホームを促す内容のメッセージを発信しました。

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(世界の中心でシンプルで強いメッセージを発信します)

続いての事例は、店舗の看板を活用した事例です。

バーガーキングは、普段は「HOME OF THE WHOPPER(ワッパーの家)」と綴られている看板に「STAY」の文字を追加し、「STAY HOME(家にいろ)」というメッセージに変えてしまいました。

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(店の看板を変えてしまうという大胆なアイディア)

タイムズスクエアのような象徴的なサイネージ、店の看板は企業にとって顔となる場所です。このような場所でメッセージを発信することは、消費者だけではなく、会社としてのスタンスを明確化する。という意味合いで自社の社員への意思表示としても、意義があるのではないかと感じています。

見られていない事を利用する?!

ロックダウン中に缶ワインの新商品を発売したHUNは、敢えてロックダウン期間中にOOH広告を使用することで、話題化を狙っていました。

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LOOK EVERY BODY!! WE'VE JUST LAUNCHED A NEW WINE.ANY BODY? ANY BODY? ANYBODY(みんな見て!私たちは新商品の販売を開始したよ!誰か?誰か?誰か?)

DID YOU SEE OUR NEW ADVERTISING CAMPAIGN? NO,DIDN"T THINK SO.(誰か私たちの新しい広告キャンペーン見た?うん。見てないと思ってる。)

本当にこんなクリエイティブで掲出したのか、目を疑いますね。笑

Emily Snacksというスナック菓子メーカーも似た手法で、ロックダウン期間中にOOHを活用します。

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hmmm…Maybe we should have made a TV ad instead(うーむ。。。テレビCMを代わりに流すべきだったかもしれない。)

こうして、「見られていない」ことを逆手に取ったクリエイティブは、SNSでの拡散までをイメージする展開は面白いなぁと感じています。

商品を売ってくれる人への感謝を込めて

医療従事者へのOOH広告を使った感謝・応援を示すことはロックダウン期間中、世界のトレンドとなっていました(日本でも都庁を青くしていましたね)が、生活必需品を取り扱う小売店の皆さんも、多くの犠牲を払いながら店頭に立ち続けてくれていたかと思います。

そんな小売店さん向けに、飲料メーカーが実施したキャンペーンを紹介します。

ニューヨークにはBodegaと呼ばれる小売店があります。日本のコンビニ程品ぞろえは良くないですが、飲み物や食品などを販売している。このBodegaはロックダウン期間中も売り上げが半分となりながらも営業をしていたようです。

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(Bodegaの外観です。店員は1名か2名で運営しています)

そんなbodegaの店員さん向けに、Vitacocoという清涼飲料水メーカーが自社のマーケティング予算を使い、店舗周辺に支援のメッセージを掲出していました。

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(親愛なるbodegaへ、、、というメッセージです)

小売店との関係は、メーカーにとって非常に重要だと理解していますが、こうして目に届く範囲にポスターを掲出することで、支援する。というのは、非常に良いアプローチだなと思っています。


以上、いくつか事例と共に紹介させて頂きましたが、ロックダウン期間の厳しい中でも、”リアルの場に存在する”ということがOOHの強みであり、様々な角度から活用する余地はあるのだな。と思っていました。

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