Rintaro Nishigaki
すべての楽器で、あるいは音楽を演奏しないで聞く人にも読んでもらえるように書いていくつもりです。子供のときの私がそうでしたが、楽器は弾けても理論的な部分は何も分かっていないというケースはよくあります。そういう方の助けになればと思っています。
M.マレ 「人間の声」 ギターソロ版 編曲:西垣林太郎
現在使用中のブログがサービスを中止してしまうとのことで、こちらに少しずつ記事を移行します。2年前のコンサートに関する記事ですが、イタリア近代のレパートリーはこのコンサートのピアノ・ギターだけでなくフルート・ギターやヴァイオリン・ギター、チェロ・ギターなど様々な編成のものをレパートリーに持っています。有名な曲は少ないですが、非常に奇麗な曲が多く、ホールでのコンサートだけでなくサロンコンサートにも合うものが多いです。コンサートの企画を考えてらっしゃる方など是非参考にしていただければと思います。
Jean-Baptiste Besard (c.1567 - c.1625) "Praeludium XV" Arranged for guitar by Rintaro NIshigaki
色々な種類のギターを演奏している上に、最近ではルネサンスリュートも加わったので、自分の出来ること、得意なことをまとめておきたいと思います。伴奏、共演、ソロの演奏を依頼していただけることがありましたら、参考になりましたら幸いです。不明な点は遠慮なくお尋ねください。 楽器の紹介とレパートリーモダンクラシカルギター 普通の現代のクラシックギターです。私は70〜106年くらい前の楽器を使っています。室内楽曲はアレンジされたものと、オリジナルの曲があります。クラシック系の有名曲
イントロと復習 前回はオクターブ(Octave)を2つの音程(Interval)に分けることにより、音程の仕組みや名前を説明しました。つまりオクターブは完全8度とも呼ばれますが、 長2度+短7度 長3度+短6度 完全4度+完全5度 完全5度+完全4度 長6度+短3度 長7度+短2度 に分けることができます。 和音を考えるときは3度 「普通」の音楽の理論では、「和音は3度の積み重ねでできる」というところを出発点にしています。西洋の音楽で、ルネサンス→バロック→古典という時代の
イントロと復習 前回はハ長調(C Major/do majeur)でDo(C) の音を基準にした音程(Interval)を説明しました。どの長音階でも1番目の音を基準にして、 長2度 長3度 完全4度 完全5度 長6度 長7度 オクターブまたは8 度という関係になります。今度は、その音からどれだけの距離を進めば高い方の Do(C) に行けるかを考えてみます。小学校の算数でした 2+□=8 3+□=8 4+□=8 5+□=8 6+□=8 7+□=8 のような感じです。算数ですと
イントロと復習 前回までは長音階について色々と説明しました。長音階にはそれ固有の音と音の間隔が(音程)が決まっています。またスタートの音は必ずしもDo(C)でなくても、他の音であったとしても音程(interval)のルールが長音階のルールなら、どの音をスタートの音にしても長音階を作ることができます。 音程(interval)の名前 音程(Interval)は2つの音の距離を意味します。音程が良いor悪いという表現も、伴奏の音や、メロディーの一つ前の音と比べて正しい距離で音を
イントロと復習 前回はSol(G)から音階を始めると、7番目の音にシャープ(Sharp/dièse)を付けることにより、Do(C)から始まる音階と同じ幅(音程)にできることを話しました。上がハ長調(C Major/do majeur)、下がト長調(G Major/sol majeur)の音階と呼ばれています。 移調して色々な音階を作る つまり、ある長音階の5番目の音から始めて別の音階をつくるときには、新しい音階の7番目の音を半音上げる(この場合はシャープをつける)とよい
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移動ド・固定ドの違いは、何をドレミなどの音節として認識して、何を頭で理解するかの違いとも言えます。音名唱・階名唱はそれぞれのメソッドにおけるトレーニング方法(ただドレミ音名唱は国際的にも多分ほとんど用いられないリスクの大きいトレーニング)で移動ド・固定ドの話とは少し切り離す必要があります。 「ドレミ(Do,Re,Mi)音名唱はイタリアやフランスで用いられる」と書いている論文・紀要をときどきみますが、イタリアは詳しくないものの、少なくともフランスでは原則用いないです。歴史
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者として、それ以外でも多彩な音楽活動をする、Jordi Savallさん。カタロニア出身で、所謂西洋の音楽だけでなく、様々な地域の音楽にも向けている音楽家です。ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏にとどまらず、様々な活動をしていらっしゃる音楽家で、そんなSavallさんの音楽感、古い音楽への姿勢が垣間みれるインタヴューがありましたので、取り上げてみたいと思います。著作権の問題もありますので、訳は一部分のみにとどめています。 http://culturebox.f
ツイッターでも少しだけ告知したのですが、Dusan Bogdanovicの "Counterpoint for Guitar with Improvisation in the Renaissance Style and Study in Motivic Metamorphosis" を題材に月一回の二時間程度のワークショップを予定しています。今のところ火曜日の夜を予定していますが、もしご希望があれば週末に並行の開催も予定しています。初回は3/13(火)から始めたいと思ってい
フランスのソルフェージュ教育を題材に少し書いてみます。 近年のフランスの音楽学校や音楽院などでは、本格的に演奏する演奏楽器を選択する前に1年間位、ソルフェージュ的なもの(Formation Musicaleと呼ばれることも多いです)をすることが多いです。義務づけられていることもあります。座学のみかという訳では無く、楽譜を読んだり歌ったりすることもあります。 これはフランスのしきたりというか伝統というか、分からないのですが、楽譜をDo, Ré, Mi, ...で読むと
ギターやリュートの歴史的なフランス式タブラチュアではaが開放弦、、bが1フレット、cが2フレット…と対応するのですが、abcdefghik...とjが飛ばされるのです。その理由について以下のようなものが考えられます。 ・当時のフランスでは日本(japon)が嫌われていたから ・amourの国なので"j"よりも"i"(愛)を選んだから ・"j"は印刷がかすれたりすると"i"と読み間違えやすいから ・当時のフランス語で"j"はほとんど用いられていなかったから などなど色々と考
ソルフェージュは個々の楽器による音楽的経験だけでは不足してしまっているかもしれない音楽の基礎力を補うサプリメントのような役割を果たしたり、初めて見る曲からより多くの情報を引き出したり、楽器の練習量が制限される状況でもそれを補う役割を果たしたりと、音楽教育の中で重要な位置を持っています。また、近年のフランスの音楽院などではFormation musicaleという音楽の総合力を高める授業科目の中に組み込まれ、音楽史などとともにその主要な科目になっています。 フランスの音楽
エンツォ・ボルレンギ (1908 - 1995) 作曲家の父のもと音楽を始めます。弟に詩人のアルドがいます。フィレンツェの音楽院で作曲をゲリーニ(Guido Guerrini)やアルファノ(Franco Alfano)に師事し、のちにフィレンツェの音楽院の講師、ルッカの音楽院の学長を歴任します。フィレンツェ派の作曲家は当時、王道とされたようなのですが、ボルレンギに関してはさほど知名度は上がらなかったようです。もしかすると、ピアニストや教育者として優れていたようで、作曲の作
Elsa Olivieri Sangiacomo エルザ・オリヴィエリ=サンジャコモ (1894 - 1996) エルザ・レスピーギつまり、Ottorino Respighi (レスピーギ 1879 - 1936)の妻として知られています。元々は歌手と作曲家で、夫と演奏活動していたが、夫の支援をすることが多かったとされています。こちらの演奏は、歌がElsa、ピアノがOttorinoで曲はElsaのものとされています。 夫の没後も長生きをし、20世紀の音楽史の生き証人とし