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「ゼロからの音楽の理論」 5:音程β

イントロと復習

 前回はハ長調(C Major/do majeur)でDo(C) の音を基準にした音程(Interval)を説明しました。どの長音階でも1番目の音を基準にして、 長2度 長3度 完全4度 完全5度 長6度 長7度 オクターブまたは8 度という関係になります。今度は、その音からどれだけの距離を進めば高い方の Do(C) に行けるかを考えてみます。小学校の算数でした
2+□=8
3+□=8
4+□=8
5+□=8
6+□=8
7+□=8
のような感じです。算数ですと、答えは順に6・5・4・3・2・1なのですが、音楽の音程は0がなく、何番目という数え方なので答えは順に7・6・5・4・3・2となります。

足して8度(オクターブ)になる音程

長2度+短7度=8度

Do(C)-Re(D)長2度 Re(D)-Do(C)短7度

長3度+短6度=8度

Do(C)-Mi(E)長3度 Mi(E)-Do(C)短6度

完全4度+完全5度=8度

Do(C)-Fa(F)完全4度 Fa(F)-Do(C)完全5度

完全5度+完全4度=8度

Do(C)-Sol(G)完全5度 Sol(G)-Do(C)完全4度

長6度+短3度=8度

Do(C)-La(A)長6度 La(A)-Do(C)短3度

長7度+短2度=8度

Do(C)-Si(B)長6度 Si(B)-Do(C)短2度

 結論として、長音階の場合、一歩目が長音程(2度・3度・6度・7度)なら二歩目は短音程(7度・6度・3度・2度)となり、一歩目が完全音程(4度・5度)の場合、二歩目も完全音程(5度・4度)となります。そういう音階を長音階と決めたと考えてもよいかもしれないですが、理論の歴史と名前の歴史は複雑なので、あまり深くは考えない方がよいかもしれないです。

長音程と短音程

 長音程と短音程を比べると、名前の通り、長音程の方が長くなっていることがわかります。例えば長2度は全音で短2度は半音、長3度は全音2つで短3度は全音1つと半音1つ、長6度は全音4つと半音1つで短6度は全音3つと半音2つ、長7度は全音5つと半音1つで、短7度は全音4つと半音2つです。このことを公式のように覚えれば音程を答える問題は解けるには解けるのですが、、数えるのに時間がかかってしまい、実はあまり便利でないのです。音程を答える問題も、基本的には音階をベースに考えた方が便利なことが多いです。

完全音程

 どうして、4度と5度(と8度)は完全という名前で呼ぶのか、子供の頃疑問に思っていました。この足し算の仕組みで少しは謎が解けたのではないでしょうか。でも、もう少し踏み込んで別の視点から考えてみましょう。
 以下はすべて架空の話で登場人物、ストーリーなどフィクションです。

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