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「World BOSAI Forum」(#04)「インクルージョン×防災」セッション登壇者ご紹介by 原裕太(GEN世話人、東北大学助教)

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要旨
 オープニングが3月10日に迫ったWorld BOSAI Forum 2023、今回はセッション「インクルージョン×防災:全ての人が自分らしく生きられる世界の実現を目指して」(3月11日)の講演者をご紹介します。
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 前回は「インクルージョン」の中身、そしてGENの活動やまちづくりの中でのインクルージョンについてお話しました。今回はいよいよ、私がコーディネータを務めるWorld BOSAI Forum 2023のセッション講演者をご紹介したいと思います。


 まず1人目は、国連人口基金(UNFPA)駐日事務所長の成田詠子博士です。UNFPAは、女性と若者のセクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・人権、SRHR: Sexual and Reproductive Health and Rights)を実現し、SRHRが開発の中で重要な位置を占めるよう働きかける役割を担う機関です1)。とくにSDG3「すべての人に健康と福祉を」、SDG5「ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」達成に向け、貧困や食料安全保障、気候変動等への対処とも連携しながら活動しています。成田さんは約20年に渡り国連で活躍してこられました。これまでに国連常駐調整官フィジー事務所、ラオス事務所でのご勤務、UNFPAイエメン事務所副所長、アジア太平洋地域事務所プログラム・スペシャリスト、バングラデシュ事務所副所長、代表代行等を歴任されています。当日は長年に渡る途上国の現場でのご経験を踏まえ、国連職員のお立場から幅広くお話し頂きます。

 2人目は劇団四季元代表取締役副会長の田中浩一さんです。田中さんは舞台「アラジン」、「ノートルダムの鐘」等のプロデューサーです。劇団四季は2011年の東日本大震災発災直後から、大津波で甚大な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県の沿岸部で特別巡回公演「ユタと不思議な仲間たち」に取り組まれ、小中学校の体育館等を会場に地元の子どもたち2万人以上を無料で招待されました。田中さんには東北被災地での特別巡演の当時のエピソード等を中心に、舞台芸術家のお立場から子どものインクルージョン、文化・芸術の役割等について貴重な話題提供を頂きます。

 3人目は自立生活センター「STEPえどがわ」当事者スタッフで、DPI日本会議特別常任委員を務める曽田夏記さんです。大学生の時に中途障害者となった曽田さん。アフリカの障害者の生活実態調査等を通じて障害者運動に関心をもたれました。その後、JICAやフィリピン農村部の障害者団体での勤務を経験され、フィリピンではご自身も台風災害で被災されました。現在は、東京都にある障害者の自立生活を支援するNGOで、個別支援等に携わっておられます。さらに2021年には、自立生活運動の母と呼ばれ、障害者運動の世界的リーダーとして米国と世界の障害者の権利擁護に尽力したジュディ・ヒューマン氏の自伝の訳書『わたしが人間であるために――障害者の公民権運動を闘った「私たち」の物語』(現代書館)を出版されました。曽田さんには障害当事者であり支援者であるお立場、NGOのお立場等から、障害を包摂した社会についてお話し頂きます。

 そして4人目は東京大学教育学部に在籍中の大学生、菅田利佳さんです。誰もが望む場所で十分に教育を受けられる世界の実現に貢献することが将来の目標という菅田さん。大学での学びや、学生団体での若者ならではの様々なご活動、留学や全盲というご自身のご経験等を踏まえ、ユースを代表してお話し頂きます。

 モデレータは以前ご紹介したように、メンタルヘルスがご専門の井筒節・東京大学総合文化研究科特任准教授(第3回国連防災世界会議・国連経済社会局「障害を包摂した防災フォーラム」議長)に務めて頂きます。

 次回のマガジンではその他のセッション、イベント等もご紹介します。なお本セッションを含め、本フォーラムは市民の方は無償参加が可能です。事前登録が必要です。皆さまのご参加をお待ちしております。

1)     国連広報センターWebサイト https://www.unic.or.jp/info/un_agencies_japan/unfpa/



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