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定期的に読み返している本2024

「今年読んでよかった本」もいいけれど、ことあるごとに読み返す、自分にとってのロングセラーにも十分に価値があるんじゃないか?と思ったので書きます。


定期的に読み返している本

・持たない幸福論

この社会では、なんでこんなにみんなしんどそうなんだろうか?
 そりゃあまあ二千五百年ほど前に既にお釈迦様が「生きることは苦である」みたいなことを言ってたくらいだし、ヒトという大脳が異常に発達して余計なことを考えすぎる生き物が生きるというのは根本的に苦しさがついて回るものなのかもしれない。
 しかしそれでも、これだけ文明が発達したんだから、もうちょっとなんとかならないものだろうかと思う。今の日本は物質的にも豊かで文化も充実していて治安もいいのに、こんなに生きるのがつらそうな人が多いのはちょっと変じゃないだろうか。
 お金の問題なんだろうか? みんなお金があれば幸せになるんだろうか?

正社員でバリバリ働いて自己投資してキャリアをうまく構築して家庭を作って家を買って子どもを育てて老後にもちゃんと備えて…「こうすべき」「こうしろ」というみえない推奨リストが日本にはある。

社会を覆うこうしたプレッシャーや規範意識を解きほぐして、それは決して普遍的なものじゃないし必ずしも真に受けなくていいんだ、ってことを平易な文章と著者自身の経験と、たくさんの参考書籍でやさしく示してくれる一冊。

人生すべてうまくいっていてイケイケの人にはまったく不要な本だけれど、「どうにもしんどくてなんでこんな苦しい思いしなきゃなんねぇんだろうな」って時期に読むと一筋の光を差してくれるような本。自己啓発本にはスパルタマッチョ系と脱力赦し系の2種類があると思っていて、この本は疑いなく後者である。

余談だけれど「ミーム」の考え方も、この本ではじめて知った。

・くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話

「投資」と聞くと、この株を買って資産倍増!!みたいな話をイメージするかもしれないけれど、この本でいう「投資」はもっと広い意味で、株の売り買いをしない人たちにも大いに関係がある。この本で語られているのはざっくり言うと「自分が好きで、残って欲しい商品やサービスにお金を使うべき」ということだ。ちょっとだけ引用する。

買い物や投資も、選挙みたいだって思うことがある。俺たちが毎日使うお金には選挙の一票みたいなちからがあって、選ばれたお店や商品が未来に残っていく。同じように、銀行に預けていたら銀行が増える助けになるだろうし、好きな会社の株にしたら、その会社の推進力になるだろう。

もちろん自分が使えるお金の量なんてたかが知れていて、社会だの経済だのに与えるインパクトもほんの少ししかないけれど、自分が好きな商品とかサービスにお金を使えば、自分が好きなものたちが長く生き残る可能性がちょっとでも上がる。

自分が石油王だったら惜しげもなく好きな界隈にお金を落とすと思うけど、残念ながら石油王ではないので、庶民ができる現実的な範囲でお金を落として、自分が好きな商品やサービス、ひいてはそれを提供する会社が長く長く続いてくれるといいな~と、この本を読んで思うようになった。

まとめ

とりあえず、ぱっと思いついた2冊について書いた。2冊とも自分の生き方を少なからず規定するような本。読んだ本はたいていすぐに手放してしまうので自宅の本棚に長く居座る本はとても少ないんだけれど、この2冊は例外的に長いお付き合いをしている。

思い出した本があればまた書きます。

最後までお読み頂きありがとうございました!