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推している漫画家さんの新連載と、少し先にある楽しみ
これまで漫画雑誌を購入した経験がなかったのですが、自分が愛してやまない山本和音さんという漫画家さんが新連載を始めたので、漫画雑誌を買って読者ハガキを送りました。
それをきっかけに、「少し先にある楽しみ」が自分のメンタルに与えてくれる影響について考えたことを、記事に書きたいと思います。
「星明かりグラフィクス」にハマる
1年ほど前に、とある漫画に出会いました。
山本和音さんの「星明かりグラフィクス」という漫画です。
ざっくり内容をご説明すると、この漫画は、埼玉県のとある美大を舞台にした作品です。主人公が二人います。
一人は吉持星。天才的にデザインが上手い代わりに、極度の潔癖症で人見知りで対人スキルが0の変人です。
もう一人は、園部明里。アートの才能は平々凡々ですが、対人スキルが高く人脈も豊富で、相手が誰であろうと怖じずに交渉ができる人間です。
最初は、星のデザインの才能を利用してやろうと打算的に考えていた明里ですが、二人でチームを組んでデザイン製作を行っていくうちに、二人は徐々に互いを信頼し合い、相棒、バディと言っても良い関係性になっていきます。
しかし、二人が就活に直面したとき、二人はチームを解散するかいなか?という問題にぶち当たります。本物の才能を持つ星と、コミュ力はあるものの凡人の範疇にとどまる明里。「必要なのは才能か、人脈か?」「デザインの本質は?」「天才と凡人の関係性はどうあるべきか?」といったテーマを多層的に描ききっている作品です。
この漫画が、セリフ回しも絵柄もストーリーもキャラもどストライクで、自分にぶっ刺さりました。軽く引くレベルで面白くて、一瞬で読み終わりました。
連載中に応援できなかった後悔
この作品は3巻が最終巻になるのですが、内容を読む限り、打ち切りにあったのだと思われます。自分が読んだときには、もうこの漫画の連載は終わっていました。正直言って、もっともっと長く続いてほしい漫画でした。
連載中にはまだ自分がこの漫画の存在を知らず、読者ハガキを送ったり単行本を買って応援することができなかったのが、どうにも未練でした。
連載中にこのハガキを送りたかった…
そこで、友人が言っていた「推しは推せるときに推せ」という言葉を思い出します。これは、自分の好きなキャラクターや歌手、アイドルなどは、活動している今のうちに全力を持って応援すべきだ、という意味のことわざ的なネットスラングだそうです。
自分にとっての「推し」は漫画家の山本和音で、「推せるとき」は連載中で、「推す」行為とは、ハガキを送って単行本を買うことだと思います。
そのことに気づいて、次にこの漫画家さんが新連載をはじめるときには、全力で応援しようと決めていたのです。
それから、1年半が経ちました。
新連載!
待ちに待った新連載が、今年7月に始まりました。月刊漫画誌「ハルタ」での連載になります。応援する以外の選択肢はない。
新連載は「生き残った6人によると」。日本中でゾンビが大量発生し、千葉県幕張市の某ショッピングモールに逃げ込んだ6人の生き残りが、即席シェアハウス生活をはじめる、という筋です。
1話を読む限りは、山本和音さん独特のユーモアや、舞台設定の面白さが十分に伝わってきました。次回が待ち遠しくてならないのですが、月刊なので、1ヶ月待たないと次が読めないのがもどかしい!
少し先にある楽しみ
これまでは、「○ヶ月先にライブがあるから、それまでは生きてられる」とか「次のイベントまでは死ねない」みたいな物言いを聞いたときには、やや冷ややかに「大げさな…」と思っていました。
今は、その気持ちが少し理解できる気がします。もし、何らかの理由で、この連載を見届けることができなかったら、残念で無念でたまらないと思います。逆に、こういう楽しみが少し先にあることで、その楽しみまでの間は、なんとかやっていくぞという気分にもなります。
人間の機嫌とかメンタルには重力がかかっていて、何もしないでいると、普段どおりの生活を送っているだけで、勝手に落ちていきます。漫画の連載に限らず、こういう「少し先にある楽しみ」をちょこちょこ増やしていくと、その重力に少しでも抗えるんじゃないかと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました!