彼女の指先は何を奏でるか ⑩
妙な子だった。パッと見どこにでもいそうなタイプ。でもどこか不思議な魅力と色気を持っている子だった。
初めて見たのは真夏の陽射しに焼かれたアスファルトの熱がまだ冷めていない夜。じっとりとした気温の中、軽やかなアコースティックギターの音色にエッジの効いた歌声を乗せて君は青白い肌を輝かせていた。
誰一人彼女の前で脚を止める者はいなかったが、皆彼女から視線を逸らす事の出来ないままでいる。
そんな不思議な子だ。
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