陳腐なストーリーで私を

 私達、今まで色々な事があったよね。
はじめの頃は手を繋ぐのだって恥ずかしくて、目を合わせるだけで心臓が変な音を立て始めたりして。
色々な朝と様々な夜を一緒に過ごして、私達の関係も色々な方向へ変わっていって、捻れて混ざって、こんな時間の過ごし方で良いのか? 良かったのか? なんて悩んだりもしたんだ。
今までの時間が全て夢だったら、きっと目が覚めた時私は違う行動を取るだろうし、数えきれない程にあった失敗を全て回避できるように過ごすと思うの。
君はどう思うかな?

全てが夢だったとしたら、君はまた私の手を握ってくれる?
こんな私だけれども、私なりに色々頑張ってきたつもりなんだ。

学生だったあの夜の事を覚えてる?
お互い実家に住んでいた頃、学校以外では中々会えなかったけれど、私が泣いて電話をした夜、もう深夜の二時を過ぎていたっていうのに、君は自転車で私の家まで息を切らしながら来てくれて、私の手を引いて自転車の後ろに乗せて

ここから先は

1,150字
一話完結(たまに前後等でリンクするお話有り)のお話を毎週金曜日20時に配信しています。 一度ご購入頂ければ、現在配信中の全てのお話を読む事ができます。

THE CONNECTIVES

¥1,500 / 月

短編の詩集です。

いつも応援有難う御座います。竹渕はいつも皆様に支えられています。これからも生きる。