彼女の指先は何を奏でるか ⑤
眠る事ができずに朝が来た。朝日が遮光カーテンの隙間から溢れ出ている。眠れないのは空腹のせいなのか、彼女の事が気になっているのか、これからの生活への不安からなのかはわからなかった。
何となく体を起こし、シャワーへ向かった。水圧の低いシャワーからぬるい水が吐き出され、僕をゆっくりと包んでいく。シャンプーとトリートメントの分かり難いボトルに心の中で文句を告げて、両方を掌で混ぜ合わせ髪の毛を洗った。
シャワーから出て、下着だけを履いてカーテンと窓を開ける。朝日に照らされて走る新幹線。
いつだか交わした彼女との約束を思い出した。
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