彼女の指先は何を奏でるか ⑧
コンビニに売ってる暖かいお蕎麦に付いてる小さい七味
動物園のライオンは猫みたいだとか
作り物の骨で作られた恐竜の化石に目を輝かせる子供
パソコンに一回じゃ挿さらないUSBとか
現像したら真っ白で何を撮りたかったのかわからなくなったインスタントカメラの思い出だったり
土砂降りの中のデートとか。
人によっては何でもない物事も、不快感も、ある人にとっては思い出で、幸せだったりもするものなんだ。
何かを見たら、何かを聞いたら、自分の中の箱が開いてまるで昨日の事のように思い出す。
似てるんだ。
言わなきゃ何もしないだとか
良しと伝えるまでじっとしていたりだとか。
好き嫌いが多くて
素直じゃなくて理屈っぽい。
私は怖くなってしまった。
壊れるのが
壊してしまうのが。
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986字
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短編の詩集です。
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