彼女の指先は何を奏でるか ③
僕の毎日はほぼ決まっていた。適当な時間に起きて、水道から直接水を飲み、箱買いのカップラーメンを食べる。カップラーメンを食べるルーティンはある。
しょうゆ→シーフード→シーフード→みそ
二ヶ月に一度くらいは彼女が好きで買い置きしているカップうどんを拝借する。勝手に食べても怒られる事はない。彼女が帰宅し、僕がカップうどんを食べた形跡を見つけると必ず
「絶対七味入れた方が美味しいよ? 次こそ試してみてよね」
と言う。
僕は辛いものが苦手だ。
アレは去年……雲一つない快晴で、日差しの強い夏の日だった。
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THE CONNECTIVES
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短編の詩集です。
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