ラストレター ⑦

 -暗転されたステージ-

「愛する者すら救えぬ若者よ、嗚呼……何故そんなに争うか……」

-暗転した舞台にスポットライトが当てられる-

「お前が望む世界がお前の望みであろうとも、俺の世界がお前に穢されてなるものか!」

-青黒く照らされるステージ-

「何を言う。お前の世界がなんだ。私の手にかかれば何もかもが炎に包まれる。見ろ、お前の父も母も既に焼けた塵でしかないではないか」

「ふざけるな! 何とでも言え! お前が望んだ世界に、お前は満足する事はない。世界の半分以上を焼いても未だ満足できずにここまで来たのがその証明だろう!」

「若者よ……その苦悩に満ちた表情……それを見て私の腹が満たされているのが未だわからぬのか?」

-真っ赤に染められるステージ-

「お前の後ろで弱々しく小さく蹲るその女……そいつを焼いた時、お前はどんな表情を見せてくれるか……私は今、それを見る為にここまで来たと言っても過言でない程に高揚しているのだよ」

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