ラストレター ②
窓から強い日差しが射し込んでいるいる。寝ぼけ眼のまま硬いマットレスの上で寝返りを打った。久しぶりの休日に身体をマットレスから起こせない。
「いつまで寝てるの? まったく。せっかくの休みなんだから、今日は買い物に付き合ってよね」
彼女は僕の幼馴染で、許嫁というやつだ。
彼女の家は僕の家の隣で、この小さな街で同じ年に生まれた男女だった。物心が付いた頃からずっと一緒に育ってきて、親同士がとても仲が良いのも有り気付けばずっとこんな関係が続いていたし、お互いに幼少の頃から成人したら結婚して二人の子供を産み、一緒に育てて暮らして行くのだと心中に擦り込まれたように暮らしてきた。
「今日はもう少し眠らせてくれよ……」
「いつもそう言うじゃない……ほら、起きて! 今晩は貴方の大好きなシチューを作るんだから! 買い物に行かないと!」
僕は重たい身体を無理矢理マットレスから引き剥がして彼女の顔をまだ瞳に張り付いた瞼の隙間から見つめた。
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