ラストレター ④
「嗚呼……なんと可哀想な若者か。その細腕で守れるものはなく、只々泣き喚く事しかできないとは」
「黙れ! お前に何がわかる! 濁った瞳で人間を嘲笑う醜い悪魔め!」
──
茹だるような暑さの中、目を醒ます。汗で濡れた額が少しだけ冷たい。
人間は発汗する事で体温を下げているというのは本当なのだな……と額に手の甲を当てながら思い耽る。
頭に浮かんだのは、あの日の君。
体調がすぐれなかった僕の額に手を当てて、 " 熱はないみたいだけど…… " と言っていた君の笑顔だ。
そんな事を思っていると、臍からモヤモヤと黒いガスが噴き出てくる……そんな感覚に身体中がムズムズして大きな溜息が出た。
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