彼女の指先は何を奏でるか ④

 彼女が家に帰ってこなくなって六日目の夜になった。保存食も彼女の大好きなカップうどんが最後の一つになった。
最後の一つとなると僕にも罪悪感が生まれるが、空腹に苦しんだ過去を思い返すと背に腹はかえられぬ……
やかんでお湯を沸かしている時、ふと自分の臭いが気になった。そういえばもう六日間風呂にも入っていない。
アレはこの家に来て三日目の夜だった。

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短編の詩集です。

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