彼女の指先は何を奏でるか

 何もしたくない。この世界に良い事なんてないし、何をするにも時間と体力を使う。
何もしなくてもこの家にいれば食事に困る事もないし、暑さも寒さも凌げる。
仕事がやりたくなくて、就職して一ヶ月で辞めた。実家でダラダラとしていたら勘当され、路頭に迷った。
けれど親の顔色を伺う事もやりたくなかったからそれで良かった。昔から人と関わって親交を深めていく事をしたくなかったから友人も知人もいなかった。
そんな僕だが今は六畳一間のワンルームで天井をただただ見上げている。ここでこうして暮らし始めてもう既に二年が経ったようだ。

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短編の詩集です。

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